ラッセル・ウェストブルック

写真=Getty Images

チェンバレン以来、史上2人目の大記録

3シーズン連続の『平均トリプル・ダブル』達成を目前にしているサンダーのラッセル・ウェストブルックが、NBA史上2人目の大記録を成し遂げた。

4月2日にホームで行われたレイカーズ戦で、彼は20得点20リバウンド21アシストを記録し、過去にウィルト・チェンバレン(1968年2月2日のピストンズ戦で22得点25リバウンド21アシスト)しか達成していなかった、20-20-20という偉業をやってのけた。

『平均トリプル・ダブル』確定に大きく前進した驚異的なパフォーマンスだったが、ウェストブルックは、ある理由から20-20-20を狙っていたことを、試合後のインタビューで明かしている。

「(20-20-20は)自分のためではなくて、これは自分にとって兄弟のような友人でもあるニプシーのためにやったんだ。20-20-20。ご遺族には、この意味を分かってもらえると思う」

ニプシーとは、3月31日にロサンゼルスで殺害されたラッパー、ニプシー・ハッスルのこと。ニプシーは、以前ストリートギャンググループ『Rollin’60s』のメンバーで、ウェストブルックは、そのグループ名の60(20+20+20)というスタッツを残す形で哀悼の意を捧げたと見られている。以前はギャングのメンバーだったニプシーだが、ロサンゼルス市警察に協力し、ギャング同士の抗争を平和的に解決する方法、地域の子供たちのためになる活動を模索していたと、事件後に報じられた。

ニプシーと同じロサンゼルス出身のウェストブルックは「彼は自分が尊敬していた人で、自分のようなインナーシティー(都心近接低所得地域)出身者のために道を切り開いてくれた。彼ともこういう話をしていただけに、今回の事件は本当に悲しい。彼の奥さん、娘さん、ご家族に祈りを捧げたい。自分も、地域のためにやれることを続けて行く」

事件後、多くのNBA選手がソーシャルメディアに哀悼メッセージを投稿した。ウェストブルックもメッセージ、そしてニプシーと抱き合う写真を投稿したが、この日のプレーは、33歳という若さで旅立つことを強いられた友人の魂に届くかのようなパフォーマンスだった。