ポポビッチHC「尊敬されている選手が、私たちと同じことを伝えてくれるのは、より価値がある」

スパーズは連続プレーオフ出場が22年で途切れた2019-20シーズンから下位に低迷し、ここ2シーズン連続で60敗と苦しんでいる。それでも、ビクター・ウェンバニャマがNBA2年目となる今シーズンは上位戦線への返り咲きに向け、ここ数年にはなかったベテランの補強を実施し、クリス・ポールとハリソン・バーンズの2人を獲得した。

32歳のバーンズは、デマー・デローザンのキングスへの移籍に絡んだ三角トレードで入団。NBA3年目となる2015年にウォリアーズでNBA制覇を達成すると、2016-17シーズンからマーベリックス、2018年の途中からキングスに在籍した。ここまで911試合中850試合で先発を務め、平均14.0得点、4.9リバウンドと、キャリアの大半を主力選手として過ごしてきた。

NBAで10年以上に渡り主力を担っているバーンズは、即戦力のフォワードでありポールと共に若手の指南役も務める予定だ。スパーズのグレッグ・ポポビッチヘッドコーチは以下のように2人への期待を語る。「キャリアにおいてベテランの位置にいる(ポールと)ハリソンが、チームに加わったことは若い選手たちにとって本当に素晴らしいことだ。尊敬されている選手が、私たちコーチングスタッフと同じことを伝えてくれるのは、より価値がある」

また、『Sports illustrated』の取材に対してバーンズは「メンターと呼ばれる時、自分も歳をとった気分になるね。僕たち(ポール)がチーム内で最年長の2人となる。チームの何人かと話したけど、ここには良いエネルギーとワクワク感がある。みんなと協力して戦っていくのが楽しみだよ」と語った。

ウォリアーズで優勝を経験する一方、結果を残せない時期も経験しているバーンズは、「このリーグで何かを築くのは時間がかかるものだ」と、強豪の地位を確立するのが簡単ではないことも十分に理解している。ただ、「ここ数年、スパーズは対戦した中でも最もタフなチームだったと思う。多くの才能ある若い選手たちがいるのはわかっている。彼らの能力を最大化させていきたい」とスパーズの持っているポテンシャルには大きな手応えを感じている。

万能フォワードとしての活躍に加え若手の教育係と、スパーズ復権にはバーンズのコート内外における貢献が欠かせない。