「僕がリーグ屈指の若手スコアラーであり、若手ガードであることを今のみんなは知っている」

昨シーズンのネッツはレギュラーシーズンを32勝50敗で終え、連続プレーオフ出場が5年で途切れた。今オフにカナダ代表ヘッドコーチも務めるジョルディ・ヘルナンデスを新ヘッドコーチに招聘し、巻き返しを図るが、中心選手のミケル・ブリッジズをトレードでニックスに放出し、代わりに5つの1巡指名権を獲得するなど、再建モードへと大きく舵を切った。

新生ネッツのエースを担うのはキャム・トーマスだ。2021年ドラフト1巡全体27位で入団したトーマスは、横須賀市出身として日本のファンにも馴染みのある選手。プロ最初の2年間は控えだったが、3年目の昨シーズンに大きな飛躍を遂げた。出場した66試合中51試合で先発を務め、平均31.4分のプレータイムで22.5得点を記録と、中心に据えられたことで平均得点は前年の約2倍に上昇した。そして、新シーズンはブリッジズの移籍によって、エースとしての働きが期待される。

バスケットボール専門メディア『SLAM』の取材に対し、トーマスは個人としての目標をこのように語る。「すべてにおいてコンスタントにやりたい。2年目から3年目にかけて最も得点が伸びて、平均22.5得点を挙げた。新シーズンは平均得点を25点台に乗せ、プレーメークを向上させるなど、すべての部分で成長したい。それでチームを勝利に導きたいね」

昨シーズン、大きなブレイクを遂げたトーマスだが、移籍したブリッジズに代わる即戦力の獲得もなく新シーズンではより相手のマークも厳しくなる。そういった背景もあり、トーマスはさらなるステップアップを遂げられるのか懐疑的な見方もある。

だが、彼は「自分を疑う人たちの声について本当に心配していない。誰も僕のタレント、得点力を本当に信じていなかった。だから、この状況には慣れている。そして今は、これが自分のモチベーションになっている」とコメントしている。

そして、トーマスは自身の実力について確かな自信を持っている。「もう、自分の力を証明しようとは考えていない。僕がリーグ屈指の若手スコアラーであり、若手ガードであることを今のみんなは知っている。だから、自分の能力を最大限に発揮して、あとはどこまで活躍できるかどうか。今年だけでなくこれから何年にも渡って自分がベストの選手になることを目指している」

現在、ネッツの下馬評は低く、リーグ下位と予想する声が多い。これを覆してプレーオフ争いに絡むサプライズを起こすには、トーマスが若手という括りを超え、リーグ屈指のスコアリングガードとして評価されるプレーを見せることが必要だ。彼にはその期待を真正面から受け止める準備ができている。