ケビン・デュラント

写真=Getty Images

カーは「試合に集中することが逃避するベストな方法」

3月21日、ウォリアーズがホームでペイサーズと対戦した日の未明に、事件は起こった。

ケビン・デュラントにとって兄弟同然だったクリフォード・ディクソン氏が、アトランタで何者かに銃で殺害される事件が発生。『The Atlanta Journal-Constitution』によれば、ディクソン氏は、ナイトクラブで友人と32歳の誕生日パーティーをしていたところ、店の駐車場で銃弾を数発撃ち込まれた。すぐに救急車で病院に搬送されたものの、死亡したという。

この報せを受け、デュラントの母親であるワンダさんは、Twitterに次のメッセージを投稿した。

「デュラント一家として、クリフのお母さん、ご兄弟、ご家族、ご友人のみなさんに、心からお悔やみを申し上げます。私たち家族も彼の家族の一員で、素晴らしい思い出を共有してきました。彼を愛した私たち全員にとって、今回のことはとてつもない喪失です。心から寂しく思います。#CliffDixon 安らかに」

デュラントとディクソン氏は10代後半から一緒に暮らすようになり、兄弟同然の関係だった。デュラントが2014年にシーズンMVPを受賞した際には、スピーチでもディクソン氏を含む近しい友人について触れ、「試合後、練習後に腹が立った状態で家に帰っても、君たちが自分の1日を明るいものに変えてくれた。みんなの存在がなかったら、今の自分はいない。これは、俺たちみんなのトロフィーでもある」と語っていた。

ウォリアーズ指揮官のスティーブ・カーは、この訃報について、ペイサーズ戦前にこう語った。

「選手、コーチにとって、試合に集中することが逃避する方法になる。痛ましいことが起こった時、対応が難しいことが起こった時に逃避するベストな方法だ。彼は悄然とした状態でプレーするだろう。試合に没頭して、楽しいと思える感情を見出してもらいたい」

デュラントは、ペイサーズ戦で15得点3リバウンド6アシスト3ブロックを記録して勝利に貢献。今回の件についてはコメントしていない。

NBAは、まもなくレギュラーシーズンを終え、プレーオフがスタートする。3連覇を目標に掲げるウォリアーズにとって、デュラントの力は欠かせない。カーが言うように、コートに立っている間は試合に没頭できるだろうが、それ以外の時間は、大きな喪失感と戦わなければならなくなった。