ブロニー・ジェームズ

「集中して、自分らしくあるようにと励ましてくれた」

レイカーズのブロニー・ジェームズが、サマーリーグ5試合目のホークス戦で本領を発揮した。試合開始直後、ピックを使ってすぐさま放つプルアップを決めてレイカーズに先制点をもたらすと、その後も攻守に積極的なプレーを続ける。第2クォーターにも勢いは続き、鋭いドライブから最後は変化するフィニッシュを沈めてスタンドを大いに沸かせると、第2クォーター残り3分にはピックプレーに対して相手が下がって守った一瞬の隙を逃さずに3ポイントシュートを決めた。

『3&D』としてNBAでの居場所を切り開こうとするブロニーにとって、3ポイントシュートは必ず要求されるもの。それをここまで17本すべて外していたが、積極的に打ち続けることでついに決めきった。第4クォーターにも、その前のチャンスを外していたにもかかわらず右コーナーからのチャンスを迷わず打ち切って決めている。24分の出場でフィールドゴール11本中5本成功、3ポイントシュート2本成功を含む12得点。スタッツ以上に攻守両面で果敢にプレーする姿が印象的だった。

ホークスはドラフト全体1位指名のザッカリー・リザシェイを欠きながらも、前半の出足の悪さを挽回して試合を支配していた。これに対してレイカーズは、ビハインドの時間も粘り強さを失わず、第4クォーター開始時点で9点ビハインドの劣勢をひっくり返して87-86と逆転勝利を収めた。ブロニーは「僕たちは堅実にプレーして、毎回良いシュートを打とうと意識し続けた。その集中が良い結果に繋がった」と勝利を喜ぶ。

自分自身のパフォーマンスについては「負けた試合のこと、外したシュートのことは忘れようとした。コートに出るたびに自分らしくプレーして、ベストを尽くす。そうすれば苦しい状況を乗り越えて、こういう結果に繋がる」と語る。

そしてブロニーは「母と父の支えがあった」と明かす。「集中して、自分らしくあるようにと励ましてくれた。それには大きな意味があったよ」

NBAの『生きる伝説』レブロン・ジェームズの息子である彼に、観客は誰よりも注目する。交代しようとベンチを出るだけで拍手が起き、得点を決めれば大歓声。その注目度の高さは逆の方向にも働き、シュートが外れれば会場はため息に包まれる。あらゆるメディアやSNSで「ブロニーは期待外れだ」、「レイカーズは選択を誤った」という批判が沸き起こる。2巡目55位の、まだ何の実績もない若手であるにもかかわらず、ブロニーはそこから逃れられない。

しかしブロニーは「確かに注目されているよね」と笑顔を見せ、こう続る。「でも、このレベルでプレーするつもりなら、対処できるようにならなきゃいけない」

チームメートのコリン・キャッスルトンは、センターとしてブロニーにスクリーンを用意して3ポイントシュートを打たせる役割を担う。ブロニーの祝うべき初の3ポイントシュート成功をアシストしたのも彼だ。そのキャッスルトンはブロニーについてこう語る。「多くのことを要求されてプレッシャーも大きいのに、素晴らしいメンタリティで対処している。良きチームメートだし、僕らはみんな彼と一緒にいるのが好きだ。何本もシュートを決めて良いリズムをつかめたことを、僕らも喜んでいる」

毎回良い結果が出るとは限らない。それでもブロニーは何をすればいいかを理解している。「まずはディフェンスに全力を尽くす。それがコートに立つためにまず必要になるものだ。そしてアグレッシブにプレーする中で自分のシュートを見つけ出すこと。自分らしくプレーするとは、そういうことだと思っている」

父レブロンとの関係についてのコメントを求められると、ブロニーは「僕ら2人にとっての大きなステップだと思う。今の関係性をさらに深めていきたい」と言い、「練習でマッチアップするのが楽しみだよ」と笑顔で語った。