「この3年間、パリオリンピックに出ることを目標にずっと頑張ってきました」

日本バスケットボール協会(JBA)は6月25日、パリ五輪に出場する内定メンバー12名を発表した。この中で恩塚亨ヘッドコーチ体制の発足当初から、すべての大会に出場している数少ない1人が、宮崎早織だ。

東京に続く2大会連続の五輪出場の喜びを宮崎はこう語る。「本当に12名に選んでもらえてうれしい気持ち。今から緊張していますが、(東京五輪の)3年前の自分と比べて、これだけ成長して主力としてやれていることに驚き、自分を褒めたいという気持ちがあります。オリンピックはすごく楽しみで、良い結果を出せるように全力を尽くして頑張りたいです」

東京五輪での宮崎は、グループリーグの3試合すべてで10分以上のプレータイムを得たが、決勝トーナメントの3試合では合計約9分に留まった。しかし、2月上旬のパリ五輪最終予選では先発ポイントガードとして平均26.5分出場、13.0得点(ともにチーム3位)、6.0アシスト(チーム1位)を記録と、名実ともに代表の主力となっている。

この飛躍を遂げた3年間の裏には、東京の時の悔しさもあったと宮崎は振り返る。「東京オリンピックの時、ほぼ試合には出られていなかったです。コートに出ているみんなに頑張ってほしいという気持ちと悔しい思いがありました。この3年間、パリオリンピックに出ることを目標にずっと頑張ってきました」

そして、いろいろな苦境を乗り越え、心身ともに逞しくなった今、宮崎は「前はすごく緊張したり、あたふたしてしまうことも結構ありましたが、今はしっかり自分のやるべきことをコートの上で表現できていると思います」と言い、確かな自信を手にしている。

背中を追い続ける吉田、本橋、町田と一緒の五輪「夢のような瞬間になると思いました」

今回の12名には国際舞台で結果を残してきた吉田亜沙美、町田瑠唯、本橋菜子ら、宮崎にとってあこがれの先輩ポイントガードも選ばれている。

現在の代表チームにおいて、宮崎はこの3人よりも実績は上だが、「同じ立場には一生なれないと思っていますし、経験値がすごくある3人です」と背中を追い続けている存在に変わりはないと強調する。だからこそ、彼女たちと一緒に世界最高の舞台で戦えることに笑顔を見せた。「この3人と同じチームで、五輪でプレーできることを想像もしていなかったです。なんか夢のような瞬間になると12名が決まった時に思いました。とても心強いですし、本当に楽しんで一緒に頑張っていきたいです」

パリ五輪を楽しみたいと強調する宮崎だが、一方で普段から大舞台を前にすると緊張するタイプだと明かし「(東京では)無観客だったのに、めちゃくちゃ吐きそうになっていました。パリでは観客がいるので、もしかしたら本当に吐くんじゃないか、大丈夫かなと思っているくらいです(笑)」と心配している。ただ、極限の緊張状態でも、自分の持ち味を発揮できるタフさを備えていることはこれまでの代表ゲームが証明している。

心強い先輩たちのサポートを受けつつ、自身の絶え間ない努力によって宮崎は3年前から大きな進化を遂げた。パリ五輪の舞台で世界屈指のスピードを披露する準備はすでに整っている。