ペリンカGM「彼は私たちの予想では間違いなくトップ10以内で指名される選手」
2024年NBAドラフトはホークスが全体1位でザッカリー・リザシェイを、ウィザーズが2位でアレックス・サーを、ロケッツが3位でリード・シェパードをそれぞれ指名した。このトップ3はアナリストたちによる予想通りであったが、各チームのさまざまな思惑が絡んでいくことで毎年、サプライズが起こるのもドラフトの醍醐味だ。
今年のドラフトで予想以上に高い順位で指名された代表格が全体9位でグリズリーズが指名したザック・イディー(パデュー大)だろう。223cm、130kgの巨体を生かし過去2シーズンに渡りNCAA最強ビッグマンとしてゴール下を支配したイディーだが、機動力を不安視され、1巡下位指名と予想する声が多かった。
一方、予想以上に順位を落としたのが、全体17位でレイカーズが指名したダルトン・コネクト(テネシー大)だ。昨シーズンは平均21.7得点を記録し、NCAAトーナメントでチームを8強へと導いた。特にベスト8のパデュー大戦は66-72と惜しくも敗れたが、徹底マークにあいながら総得点の半分以上となる37得点の大暴れを見せるなど、昨年の大学No.1シューターと言えるパフォーマンスを見せていた。だからこそ、トップ10以内で名前を呼ばれると見られていた。
それが17位まで落としたのは大きな驚きだった。主な理由として言われるのは、コネクトは短大で2年、大学で3年と高卒から5年もプレーしており、すでに23歳とドラフト対象選手として若くないことだ。特にドラフト上位はこれからチームの看板選手となりうる原石を指名する場であることから、伸び代が少ないと見られ順位を落とした。
しかし、レイカーズにとっては願ってもない展開となった。新シーズンにレブロン・ジェームズと再契約を結び、将来ではなく現在の勝利を目指しているだけに、他のチームにとって懸念材料となったコネクトの年齢は関係ない。むしろ豊富なプレー経験は即戦力を求めるチームにとってプラスでしかない。また、新ヘッドコーチのJJ・レディックは現役時代に名シューターとして名を馳せた人物であり、スクリーンを巧みにつかってマークを振り切ってのキャッチ&シュートを得意とするコネクトを生かすプレーは最も得意とするところだ。
レイカーズのロブ・ペリカンGMは、コネクトの指名についてこのように喜びを語る。「ダルトン・コネクトのようにスキルがあり、我々のニーズにあった選手を獲得できるとは思ってもいなかった。彼は私たちの予想では間違いなくトップ10以内で指名される選手だった。スカウティングしていた時、彼のような選手を、私たちの順位で指名できるわけがないと思っていた。だから、彼を選択できるのはこれ以上なくハッピーだ」
近年のレイカーズはドラフトでローテーションに入るような選手を獲得できていない。昨年も、今年と同じ17位でジェイレン・フッド・シフィーノを指名したが、今シーズンは21試合出場で平均1.6得点に終わっている。まだ1年目を終えたばかりでフッド・シフィーノは大化けする可能性はあるが、直後にヒートが全体18位で指名したハイメ・ハケスJr、ウォリアーズが19位で指名したブランディン・ポジェムスキーは、ともに1年目から即戦力として活躍 。さらにハケスはUCLA、ポジェムスキーはサンタクララ大と、ともにレイカーズの地元であるロサンゼルスとその近郊の大学出身であったことで、なんでこの2人を見送ったのかと批判が高まっていた。
コネクトは、こういった近年のドラフト下手を払拭する指名になるとすでに大きな注目を浴びている。オースティン・リーブス、八村塁と共にヤングコアとしてコネクトが開幕からローテーション入りしても驚きはない。