カイリー・アービング

「今の僕は、1人の男として感じていることを声に出せるようになった」

マーベリックスのカイリー・アービングがNBAファイナル前日会見で、かつての同僚であるレブロン・ジェームズとの関係について言及した。

アービングとレブロンは、2014-15シーズンからキャバリアーズで共に戦い、16年のNBAファイナルに勝利するなど一時代を築いた。しかし、No.1選手としての役割を求めたアービングは、17年のファイナルに敗れた後、セルティックスへと移籍。2人の共闘はわずか3シーズンで終わりを告げた。

2人の関係は険悪なものではなく、昨シーズン途中、アービングがネッツからマーベリックスにトレードした際にはレブロンがレイカーズに彼の獲得を求めていたと報じられていた。

アービングは、キャバリアーズを去って以降はコート外でのトラブルも目立ち、思うような成績を残せていなかった。それだけにファイナルの目玉選手の1人として大きな注目を集めている。

レブロンもアービングに注目している1人だ。先日、彼は自身のポッドキャスト番組で、次のようにアービングを絶賛している。

「彼が成長を続けていることは本当にハッピーなことだ。同時に彼が、もう僕のチームメートでないことはとても残念だね。ダラスはウェスタンカンファレンスファイナルに勝つだけでなく、すべてを勝ち取ることができるかもしれない。何故なら、(アービングという)切り札がいるからだ。彼はNBA史上において、最も才能のある選手だ」

会見でこの発言について聞かれたアービングは、「彼にはとても感謝している」と語り、次のように2人の関係について振り返る。

「僕たちの年は離れており、人生において別の位置にいる。そして僕たちはともに成熟し、これまで何かを成し遂げるチャンスを得られたことに感謝できるようになった。僕たちがもう少し若かった時は、2人の関係を邪魔するモノがあったと思う。今の僕は、自分が1人の男として感じていることを声に出せるようになった。そして自分の立ち位置、信念、出自についてより心地よく感じている。そういった面によって、僕たちの関係は昔と変わったと思う」

さらにアービングは、「(レブロンと一緒にプレーしていた時を)間違いなく懐かしく思っている」と続け、レブロンから多くの学びを得たと語っている。「彼と僕のリーダーシップはうまくかみ合っていた。そして彼から残りの人生において感謝すべき多くのことを学んだ」

紆余曲折のキャリアを経てアービングは、17年以来となるファイナルの舞台に戻ってきた。多くの人が認める成熟した姿を、コート上でどのように披露してくれるのか楽しみだ。