同僚ディビンチェンゾ「戻ってくることを全く疑っていなかった」

ニックスが、ペイサーズとのカンファレンスセミファイナル第2戦をジェイレン・ブランソンのここ一番における大活躍によって130-121で勝利。これでシリーズ2勝0敗と主導権を握った。

試合の立ち上がり、ニックスが高確率でシュートを決める一方、ペイサーズは精度では劣るがオフェンスリバウンドを多く取るなど分厚いオフェンスで応戦。第1クォーターは36-36の互角となるが、第1クォーター残り約4分にブランソンが右足を痛めて負傷退場した影響は大きく、第2クォーターに入るとペイサーズが突き放し、10点リードでハーフタイムを迎える。

しかし、後半に入るとブランソンがコートに復帰したニックスが息を吹き返す。故障の影響を感じさせずに得点量産のブランソンに加え、ドンテ・ディビンチェンゾが第3クォーターだけで12得点をマーク。第3クォーターで36-18と圧倒し、一気に逆転した。第4クォーターに入るとペイサーズも持ち直し、残り4分半でニックスがわずか2点リードの激闘となる。だが、ニックスはブランソン、ディビンチェンゾが要所でしっかり得点を決めることで主導権を渡さずペイサーズの反撃を凌いで逃げ切った。

本日29得点5アシスト3スティールのブランソンは、後半だけで24得点と今回も抜群の勝負強さでニックスを勝利に導いた。ブランソンは「決断しなければいけないことがあって、それを行った」と、後半からの復帰について振り返る。そして、本拠地マディソン・スクエア・ガーデンの観客によるMVPコールについて感動しつつ、冷静にプレーすることを心がけたと明かしている。

「ここは、僕にとって特別な場所だ。(MVPコールを)聞くことができて本当に最高だった。ただ、後半はどのように自分がアタックをしていくのか、そこを意識しなければいけないことは分かっていた」

この試合のブランソンは、いつもの卓越したスキル、傑出したリーダーシップに加え、故障を押してのプレーでハイパフォーマンスを見せつつ気持ちの強さも示した。ニックスのトム・シボドーヘッドコーチはこのように称える。「ベストな状態と感じられない状況でも、最高のプレーが求められる時にそれを実行する。そのためにはメンタルタフネスがとても重要だ」。また、ビラノバ大でも同僚でブランソンをよく知るディビンチェンゾは、「彼は戦士だ。彼が後半に戻ってくることを全く疑っていなかった」と、相棒のタフさに絶大な信頼を寄せている。

惜しくもブランソンの継続中だったプレーオフにおける1試合40得点5アシスト以上のNBA記録は4試合でストップとなった。だが、故障を乗り越えての今回のハイパフォーマンスは、記録以上に彼の偉大さを示すモノとなった。