日本代表のW杯行きを喜ぶ三屋裕子会長「安堵した、信じられない、という思い」

2019/02/25
日本代表
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三屋裕子

文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

「勝つことで自信を持ち、成長に繋がっていった」

男子のバスケットボール日本代表がワールドカップ出場を決めたことを、日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が祝福した。「私がバスケット界に来た目的の一つが男子の代表の強化でした」と語る三屋会長にとって、今回のワールドカップ出場権獲得は必達の目標だった。

「本当に手探りのところから、自分たちも最初は自信がない中でやって来たことがここに繋がったのは奇跡のような感じがします。『うれしい』よりも『安堵した』、もっと言えば『信じられない』というような思いです」

バスケット界の改革が進み、2020年の東京オリンピックという明確なゴールが一つ設定されていることは、モチベーションにもなるが重圧にもなる。そんな中での4連敗スタートは、その後の8連勝で予選突破を決めた今も忘れられないものだ。

「4連敗から始まっています。それも1点差だとかホームだとか、勝たなければいけない試合を落としていました。何を頼りにこの先を信じていけばいいのか。選手たちも分からなかったと思うし、我々もどうサポートすればいいのか分からない部分がありました。そこにタイミング良く八村塁、渡邊雄太、ニックが加わり、そこから『AKATSUKI』が始まったと感じます。昨年4月にニックの帰化が決まり、八村と渡邉の合流があった。そこから流れが来た、日本にとってはアゲインストの中でやってきたのがフォローの風が吹き、選手たちが『やればできる』という自信を持ち、成長に繋がっていった」

「もちろん彼らの存在も大きかったと思いますが、その中でBリーガーの選手たちが成長していく、目線を上げることに繋がりました」

かつてのバレーボールの名選手であり、ロサンゼルス・オリンピックで銅メダルを獲得したオリンピアンである三屋会長は、選手たちが勝ったり負けたりを繰り返す中で成長するのを、こんな思いで見続けてきた。「私は選手の時にこんなに緊張したことがないんですが、バスケットの会長になってから試合はずっと緊張する、息ができない。最初のホームの2試合は居ても立っても居られない落ち着きのなさがありました。でも、彼らもだんだん勝ちを重ねることで自信がついた。勝つことで成長していくんだなと思いました」

三屋裕子

3月のFIBA理事会で日本代表の五輪出場をプッシュ

チームは大きな仕事をやり遂げた。次は三屋会長の番だ。3月にはFIBAのセントラルボードがあり、そこで日本の東京オリンピック出場を決める役割を担う。「私も自信を持ってセントラルボードに行き、プレゼンテーションをしたい」と、三屋会長も迷いなく話す。

「最初にセントラルボードの方々から『ワールドカップのベスト16ぐらいにならないと出場は無理だよ』と言われた時にはすごく遠く感じて、日本には出るなと言われているのかとも思いました」。そこから男子の日本代表は大きな飛躍を遂げた。今回の予選突破で、プレゼンテーションもやりやすくなったに違いない。

「短期的には東京オリンピックに出ること、2023年のワールドカップは誘致していますし、2024年のパリオリンピックへと繋げなければいけない」と、まだまだ先は長いが、今回のワールドカップ予選で日本の男子バスケが世界への扉を開いたのは、一つの大きなきっかけとなる。

Window6に招集されたのは、すべてBリーグでプレーする選手たち。「Bリーグが、小学生や中学生のあこがれ、自分たちがバスケットをやろうとした時のゴールになればいいと思います」と三屋会長は言う。代表チームは今日帰国、そして今週末からはすぐBリーグが再開する。

夏のワールドカップでは八村と渡邊も合流するドリームチームとなるが、どこまで戦えるかはまた別の話。『日本一丸』での強化はまだまだ続く。