「コントロールできることをコントロールする」
サンダーはペリカンズとの第3戦に106-85で勝利し、ファーストラウンド突破に王手をかけた。試合終了直後にコート上での『TNT』のインタビューに呼ばれたジェイレン・ウィリアムズは、これに応じることなく、地元局が行っているもう一つのコートインタビューに馳せ参じた。インタビューを受けていたジョシュ・ギディーを、ウィリアムズを含む仲間たちが取り囲む。これは今シーズンを通してサンダーがやってきたスタイルで、全国放送の取材より優先すべき『儀式』だ。
ペリカンズを85得点に抑えるディフェンスが勝利の決め手となった。仲間たちと肩を組みながらギディーはこう語る。「コーチ陣が最高のゲームプランを考えてくれた。ウチには優れたディフェンダーが揃っていて、それを高いレベルで遂行したんだ。プレーオフで失点85は『勝てるスコア』だよ。ただ、相手も次の試合に向けて修正してくる。僕らもそうしなきゃいけない」
試合開始わずか30秒でウィリアムズは相手との接触でベンチに下がることになった。思わぬアクシデントだったが、急遽コートに立ったルーキーのケイソン・ウォレスを周囲が支えることでこのピンチを乗り切ると、第2クォーター後半にシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの1本を皮切りにルーゲンツ・ドートが3本連続成功の3ポイントシュート攻勢で一気にリードを広げていく。60-46で始まった後半もディフェンスの強度は落ちず、付け入る隙を与えなかった。
ドートは本職のディフェンスでペリカンズのキーマン、ブランドン・イングラムに自由を与えず、19得点1アシストに抑え込んだ。さらにレギュラーシーズンで大幅に高めたシュート精度を見せ付ける3ポイントシュート3本連続成功でサンダー優位の状況を作り上げている。
さらにエースのシェイが24得点8アシスト、アクシデントの後にコートに戻ったウィリアムズが21得点9リバウンド5アシスト、ギディーが21得点8リバウンド6アシストと、ロースコアの展開で価値ある活躍を見せている。それでもサンダーの勝利は、激しいプレッシャーを掛け続けてペリカンズから20のターンオーバーを引き出し、トランジションに持ち込んだチーム一丸のプレーが大きい。
プレーオフの経験が浅くても良いプレーができる理由をジェイレン・ウィリアムズは「チームの結束力にある」と話す。「メンタルの部分でミスが少なくて済んでいるのは、僕らが『減らせるミスを減らす』ことを一番に意識しているからだと思う。コントロールできることをコントロールして、ゲームプランを貫く。あとはできる限り激しく戦えばいい」
そしてウィリアムズは、試合序盤のアクシデントでベンチに下がった彼の穴を埋めたウォレスの活躍を称えた。「彼はルーキーだけど、その実力はトレーニングキャンプから分かっているから、活躍しても僕らは誰も驚きはしない。これは僕らの『ネクスト・マン・アップ』のメンタリティを表していたと思う。僕のケガでコーチがどんな手を打つにしても、それが正しいプレーに繋がることに絶対的な自信がある。だから彼の活躍には驚かない。どの選手もプレーする準備ができている。それがこの1年を通しての僕たちのメンタリティだったんだ」
ウィリアムズ自身、キャリア2年目で初めて経験するプレーオフで大きな手応えを感じている。「去年のオフから自分の欠点を修正し、選手として成長するために一生懸命努力してきた。その成果がプレーオフの舞台で出るのは特別だと思う。今もまだ試合中に『ここは直さなきゃいけない』と感じることは多いけど、良い気分でプレーオフを戦えている。自分が練習してきたことをプレーオフで出せるたびに自信が増すよ」
❝We’ve got great defenders on this team that executed.❞
@NickAGallo checks in with @joshgiddey and the guys post-game 🤝 pic.twitter.com/ftnvStDxLC— OKC THUNDER (@okcthunder) April 27, 2024