オンボールでもオフボールでも強みを発揮できる選手に
24勝4敗でリーグ首位を走るキャバリアーズはシーズンの3分の1が終わっても勢いを落とすことなく、70勝ペースで勝ち続けています。昨シーズンまでの特徴だったディフェンス力を維持しながら、平均レベルだったオフェンスでもレーティングでもリーグトップの数字を残しており、大きな進化を見せています。
チーム全体が大きく改善する中でも、ダリアス・ガーランドは劇的に変化しています。キャリアハイのフィールドゴール成功率(48.1%)で得点力を高めているだけでなく、ターンオーバーはキャリア最小(2.5)とミスを減らすことにも成功しています。特にドライブした時のフィールドゴール成功率は46%から58%へと驚くほど改善しており、弱点だったプレーを長所に変えました。
抜群のクイックネスを持つガーランドですが、ビッグマンを2人起用するキャブスではペイント内のスペースが消えて相手のディフェンダーに囲まれてしまうため、サイズのないガーランドがドライブしてもフィニッシュが難しいのが問題でした。そうであればビッグマンを減らしてシューターを起用し、インサイドのスペースを広げれば良いのですが、そうなると今度はアウトサイドで動けるスペースが減り、ガーランドの強みであるオフボールで動き回ってパスを引き出し、高いシュート力で得点を奪う形が制限されてしまうのが悩ましいところでした。
しかし、今シーズンはチーム全体がオフボールで動いては、空いたスペースへ次の選手がポジショニングしていく形が作られたことで、ガーランドは中でも外でも効果的に得点に絡むようになりました。これまでは自分が使うスペースではなかったコーナーからの3ポイントシュートが増え、それでいてドライブしてもオープンな状況でフィニッシュできるシーンも増えたのです。
ガーランドはオンボールだけでなく、オフボールでも仕事ができるポイントガードですが、両方の武器を有効に使うためのスペースを作るのは難しいものがありました。しかし、今シーズンはオンボールでのドライブとオフボールでのシューティングの両方で強みを発揮でき、勝利を積み重ねています。