島谷怜

最大12点のビハインドを覆し北海道が群馬に勝利

B1第33節、群馬クレインサンダーズvsレバンガ北海道が4月17日に開催された。前節、宇都宮ブレックスに勝利した勢いそのままに、果敢なインサイドアタックから展開を作った北海道が98-90で勝利した。

序盤、辻直人のタフショットで先制を許すと、セットプレーからトレイ・ジョーンズに得点された北海道は、早めの修正を図るため1つ目タイムアウトを取得。タイムアウト後、ゾーンディフェンスを敷く群馬に対して、菊地広人が3ポイントシュートを成功するもその後は得点が伸び悩んだ。インサイドを中心に得点するも、14-25とビハインドを背負い第1クォーターを終える。

外国籍選手を温存してスタートした群馬に対し、中野司や関野剛平のアウトサイドシュートで徐々に点差を詰め始める北海道。オフィシャルタイムアウト前に2ファウルとなっていたベン・ベンティルとコー・フリッピンがコートに戻ってくると、北海道は執拗にインサイドを突いて連続得点に成功。さらにトランジションも決まり始めて、一気に逆転まで持ち込む。終了間際にはリード・トラビスがブザービーターを成功させて45-43と逆転して前半を終えた。

後半に入り、序盤こそ辻の3ポイントシュートやベンティルのセカンドチャンスポイントで流れを持っていかれそうになるものの、デモン・ブルックスやトラビスがアタックして逆転を許さない。ディフェンスでもファイトし続けも続けタフショットを打たせては、リズム良くオフェンスを仕掛ける。徹底してダラル・ウィリスジュニアのポストアップから展開を作ると、終盤に2本の3ポイントシュートを沈めた北海道は10点のリードを奪って最終クォーターに突入した。

中野とウィリスジュニアの得点でこの試合最大の13点リードを奪った北海道だったが、その後に連続失点を喫し、後半1つ目のタイムアウトを取得してアジャストを図る。再びポストアップからのプレーメークを徹底することでインサイドの優位性を保ち着実に得点を重ねるが、辻やベンティルに3ポイントシュートを許し、2点差まで肉薄された。それでも、ここでタイムアウトを取り、落ち着きを取り戻した北海道は、ウィリスジュニアと寺園が得点を重ねて再びリードを築き、追い上げる群馬を振り切り勝利を手にした。

北海道の小野寺龍太郎ヘッドコーチは「気持ちよくオフェンスをさせないことが重要でした。しかし、タフショットを決められるなど最後に甘さが出てしまいました。本来は80失点以下に抑えるべきでしたので、もっと自分たちがやるべきことをやらないといけない試合でした」と振り返るものの、次のようにも評価した。「短い準備期間でしたが、選手たちはゲームプランをしっかり遂行してくれて、その部分は成長して勝つことができましたので、この勝利は大きな意味があると思います」

島谷怜

「うまくいく型が見つかっているので突き詰めていく必要がある」

攻守に渡りチームを牽引したのは地元出身のルーキー・島谷怜だった。今シーズンは54試合中37試合で先発起用されて、平均20分45秒とチームの中心として活躍している。この試合でも前半だけで7アシストを記録した堅実なプレーメークに加えて、ハードなディフェンスでもチームに流れをもたらした。

この試合で島谷が挙げた4得点はいずれもスティールからのイージーバスケットで、群馬の反撃の芽を積むものだった。群馬の勢いを止めて、会場に詰めかけた群馬ブースターを落胆させたビッグプレーに対して「たまたまじゃないですけど、良い読みが当たってくれたなと思います」と島谷は笑顔まじりで謙遜したものの「ボールや人を見て、ここにパスが出そうだなというのを考えながらプレーしています」と言うようにバスケIQの高さに裏打ちされたプレーであった。

実際、小野寺ヘッドコーチも島谷を次のように評価している。「ディフェンスとゲームコントロールにおける彼に対する信頼は大きいです。今日もクレバーにディフェンスからリズムを作ることをやってくれました。今日はディフェンスでは辻選手とマッチアップとなりましたが、高いレベルでチームに貢献してくれています」

北海道には寺園脩斗や綿貫瞬といった実績十分なガード選手が在籍している。ルーキーとして彼らから学ぶことは多いと島谷は話す。「2人とも僕とタイプは違うガードなので、それぞれがいい色を出せていると思います。2人のプレーを見習うこともありますし、試合中でもベンチに戻ってきた時には瞬さんに相談してアドバイスを貰い、コートに戻った時にアジャストすることもあります」

そんな先輩ガードやコーチ陣からの信頼を得て、ルーキーながらシーズンの中盤以降は先発に定着している。「開幕前にイメージしていたよりも手応えのあるシーズンになっています。その中でもケガなく、ここまで試合に出続けられているのが成長に繋がっています。試合に出ているからこそ、課題が見えてきているので向き合っていく必要があると思います」と自己評価する。

さらにチームとしては「こういう形で戦えばうまくいくという型を見つけられています。それを突き詰めていく必要があります。強いチームはそれを毎試合出せているから勝てるのであって、僕たちはまだそこに波があります。今シーズンはあと6試合ですが、そのスタイルを40分間出し続けることができれば、もっと良いチームになれるのではないかなと思います」と課題と展望を話してくれた。

ここまで17勝37敗と開幕前に目論んだ通りの勝率とは言えない戦績となっている。特に島谷は主力で出場しているからこそ、満足できる結果ではないだろう。北海道はBリーグ開幕以降、勝ち越したシーズンはなく、長らく『強豪』と呼べるチームにはなれていないのが事実だ。しかし、ポイントガードとして、チームリーダーとして、地元出身選手として、今後の島谷の成長がチームの躍進の一端になるのは間違いない。今シーズン得た多くの経験を糧に、さらなる活躍を期待したい。