写真=Getty Images

ワンマンチームであるがゆえの強み

30勝23敗で西カンファレンス7位のサンダーが、東カンファレンス首位に立つキャバリアーズを迎えた。サンダーは自他ともに認めるラッセル・ウェストブルックのワンマンチームだが、この試合ではそれぞれの選手が自分の持ち味を発揮し、ディフェンディングチャンピオン撃破に成功した。

第1クォーターはアンドレ・ロバーソンがレブロン・ジェームズをブロックするなど、トランジションオフェンスが効果的に決まり速攻から8点を奪ったサンダーがリードする。それでも第2クォーターに入ると、レブロンとカイリー・アービングの個人技を止められず逆転を許し、後半を迎えた。

第3クォーター、レブロンはヴィクター・オラディポのシュートチェックに邪魔されダンクをミス。第2クォーターでもオラディポのブロックショットを警戒しダンクを外していたレブロンにとって、1試合に2度のダンクシュートを外すのはキャリア通算3度目の『珍事』となった。

ディフェンスで奮闘するサンダーがわずかにリードして試合は進んでいく。トップクラスの個人技の応酬でどちらも譲らない展開の中、サンダーはディフェンスに加えてオフェンスリバウンドの意識でキャブズを上回る。

レブロンへのパスを弾いたロバーソンが、そのままワンマン速攻からダンクを決めるビッグプレーを機に流れはサンダーへ。その後もブロックショットにはならなくとも、粘り強いシュートチェックでタフショットを誘発。ロバーソンがボールを弾き、ジェラミ・グラントとジョフリー・ラヴァーニュが連続でオフェンスリバウンドを奪い、最後にオラディポがレイアップを沈めたシーンがオフェンスリバウンドの意識の高さを象徴していた。

残り2分10秒、シュートチェックからアービングのターンオーバーを誘うと、速攻の先頭を走るウェストブルックが後ろから走り込むオラディポにプレゼントパスを送る。360度のレイアップを決めて点差を2桁に乗せた。終盤のこの8-0のランが決め手となり、118-109でサンダーが勝利した。

サンダーは粘り強いシュートチェックでタフショットを何度も誘発した。

ウェストブルックが26回目のトリプル・ダブル

ウェストブルックが29得点12リバウンド11アシストと今シーズン26回目のトリプル・ダブルを達成し、オラディポが23得点と続いた。スティーブン・アダムズは20得点13リバウンド(9オフェンスリバウンド)と制空権を支配。またロバーソンはレブロンをブロックするなど、得意のディフェンスで存在感を見せ、数字に表れないながらも勝利に大きく貢献した。

キャブズではアービングがチームハイの28得点を記録。レブロンは18得点7アシスト、ケビン・ラブは15得点12リバウンドを挙げたが、ビッグ3を担う2人にしては物足りない結果となった。

サンダーはキャブズの3ポイントシュートの成功率が47.6%だったのに対し、29.6%と低調だったものの、シュートの試投数ではキャブズの79に対し106と、ポゼッション数で大きく上回ったことが勝因となった。

サンダーは因縁のウォリアーズ戦を明後日に控えている。ケビン・デュラントを擁する西の絶対王者に対し、アウェーでは2連敗中のサンダーだが、東の王者を撃破した勢いでリベンジを狙う。

驚異的なボールハンドリング技術を持つアービング。中からも外からも得点を重ね28得点を挙げた。