写真=Getty Images

エンビードは大学時代から『気分』でゴーグルを装着

今シーズンの新人王候補最有力と言われているセブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、コート内外で話題を提供している。スポーツエンターテーメント『WWE』を代表するスーパースター、トリプルHのように入場の際に口に含んだ水を頭上に吹き上げるパフォーマンスを披露したかと思えば、現代の選手らしくSNSを駆使してファンと積極的に交流もしている。

そんなエンビードがNBAファッションの流行を作り出すかもしれない。最近になって、ゴーグルを着用する画像を本人とシクサーズが投稿するようになった。

エンビード本人はInstagramで「ゴーグルをまた着用すべきか、それとも否か?」と投稿。エンビードはカンザス大学在籍時代から試合でしばしばゴーグルを着けていたが、NBAではまだ試していない。ゴーグルを着けた選手で有名なのは、古くはブルズ時代に3連覇を経験したホーレス・グラント、最近ではサンズで一時代を築いたアマレ・スタッダマイアーだが、両選手共に目を保護するために着用していた。

エンビードは目を負傷したこともなく、単にファッションとして『気分で』試合でも着用してきたようだ。現代のNBAでは、こうしたファッション要素も重要と考えている選手は少なくない。今でこそ当たり前になったヘッドバンドも、かつては汗が目に入るのを防ぐためのギアだったが、1960年代にアメリカのプロバスケットボール界を席巻したウィルト・チェンバレンがレイカーズに移籍してヘッドバンドを着けるようになり、見た目の格好よさでリーグに広まったという背景も存在する。

その他のギアでは、フェイスガードも特徴的だ。2004年にピストンズの優勝に貢献したリチャード・ハミルトンは、鼻骨を骨折してからフェイスガードを着用するようになり、ケガが治ってからもゲン担ぎの一つとして着け続け、それがトレードマークになった。

最近ではキャバリアーズのカイリー・アービングが顔の骨を骨折後、2012年12月16日にマディソン・スクエア・ガーデンで行なわれたニックス戦で黒のフェイスガードを着けて出場し、当時のキャリアハイ41得点を記録した試合が有名だ。

シクサーズによれば、エンビードはゴーグルを『気分』で練習中に着けているとのこと。チームが投稿したTweetを見ても、なかなか様になっている。気の早い話だが、これが完全にトレードマークになれば、関連グッズの販売やアイウェア関連企業とのスポンサー契約の話も出てくるだろう。エンビード次第で、ヘッドバンドと同じようにゴーグルがNBA選手にとって欠かせない試合用アイテムになる日もやってくるかもしれない。

ブルズ時代のハミルトン。フェイスマスクがトレードマークになるとは、文字通り怪我の功名です。