トバイアス・ハリス

写真=Getty Images

キャリアハイペースのパフォーマンスを継続

2月のトレードデッドラインまでにクリッパーズからセブンティシクサーズにトレードされたトバイアス・ハリスは、このオフにトップ選手の証であるマックス契約を勝ち取るため、努力を続けている。

2011年のドラフト全体19位でボブキャッツ(現ホーネッツ)から指名されたハリスは、その後バックス、マジック、ピストンズ、クリッパーズ、そしてシクサーズへトレードされ続けたが、どのチームでも頭角を現し、現在に至っている。今シーズン開幕をクリッパーズの一員で迎えると、シクサーズに移籍するまでの55試合で平均20.9得点(キャリアハイ)、7.9リバウンドを記録し、エースとして活躍。キャリア初のオールスター選出もあり得た個人スタッツを残しているハリスは、ジョエル・エンビード、ベン・シモンズ、ジミー・バトラーを擁し、優勝を狙えるシクサーズにも即フィットし、大きな戦力として期待されている。

ハリスは、昨年の夏にクリッパーズから総額8000万ドル(約88億6000万円)もの延長契約オファーを提示されたが、断った。彼は2019年のオフにフリーエージェントになって、より高額な契約を勝ち取る道を選んだのだ。ハリスは、『Washignton Post』に対し「8000万ドルは大金。周りからは、『どうすれば、そんなオファーを断れるんだ?』と言われたよ」と、昨年の顛末を語った。そして、「自分の成長曲線については、自分が分かっている。どのタイミングで、自分の力に賭けるべきかもね。サラリーキャップについても、フリーエージェント市場についても考えた。それに、自分の努力を考えたら、トップ選手の一人になれるという風にも思った」とも。

人一倍の練習によって年々レベルアップし続けているハリスにとって、マックス契約は夢ではなく、ビジョンだという。

「(マックス契約のために)努力してきた。これは、たった一夜にして実現できることではないからね。僕がこれまで自分に課してきた努力を見てもらえれば、これはプランであって、自分への投資ということを分かってもらえると思う」

「夢を見ているつもりなんてない。自分たちが見ているのはビジョン。これは夢を叶えるのではなくて、ビジョンを実現させる、ということなんだ」

シクサーズが東カンファレンスのトップ4に割って入り、プレーオフでも勝ち上がれれば、オフに再契約の可能性が高まる。仮にシクサーズがプレーオフで早期敗退しても、まだ26歳のハリスに関心を寄せるチームは多いだろう。いずれにしても、彼が思い描いてきた『ビジョン』が達成される可能性は、高い。