安藤周人

「CSの前にハイインテンシティのチームとやれたのは良かった」

アルバルク東京はホームにシーホースを迎えた一戦を57-69で落とした。スコアが示すように、チームの根幹であるディフェンス力は示したが、オフェンスは今シーズン最少得点に終わる完敗だった。

指揮官のデイニアス・アドマイティスが「特にオフェンスの遂行力が非常に悪かった」と振り返ったように、オフェンスが敗因になったことは間違いない。強みであるインサイドでアドバンテージが取れず、ディフェンスを崩してもフリーのシュートを決めきることができなかったことでこのスコアとなった。

8本中4本の3ポイントシュートを沈めチームハイの18得点を挙げた安藤周人も「一言で言えば、準備してきたものを何もできなかった」と言い、やはり遂行力の悪さを敗因に挙げた。「1週間しっかりこう、なんていうんですか、相手のディフェンスに対してしっかり対策をしてきたはずなのに、各々が好き勝手にプレーしてしまった。タイムアウト後に『これをやろう』って言っているのにビック&ロールをちゃんと使わずに、自分勝手なプレーに走ってしまうとか、そういうのが目立っていたと思います」

もちろん、それだけ三河のディフェンスの圧力が強かったことは間違いなく、安藤もそこは想定外だったと認めた。また、同じ地区2位だとしても、10ゲーム差のある相手を軽んじていたかもしれないと、間違った余裕があったと振り返った。「同じ2位の立場ですが、勝率は僕らのほうが上です。なんていうか、何人かはちょっと下に見ちゃっている気持ちもあったと思います。他チームを悪く言うつもりはないですが、三河がここまでフィジカルだとは思わなかったですし、今まで成功しちゃっていた部分があったので、そのイメージが強すぎて、『今日もいける』みたいな気持ちが強すぎたのかと思います」

安藤が言うように、A東京は決してベストパフォーマンスではなかったものの3連勝してきた。主将のザック・バランスキーも前節の横浜ビー・コルセアーズ戦で「かっこ悪くても泥臭くてもいいから、今は勝つことが大事だと思っている。勝って反省できたのは良かった」と語っていた。しかし、それは裏を返せば内容が悪かったことを意味する。

もちろん、勝って反省できることにこしたことはない。だが、成功体験をはき違えるといつしかしっぺ返しを食らうこととなり、まさに今回がその最たる例となった。だからこそ、安藤はこの敗戦を肝に銘じる。

「今日の三河はボールをシェアして、フリーを作って、シュートを高確率で決めて本当に良かったと思います。三河とはCSの1回戦で当たる可能性があります。これから先、東の上位とも当たりますし、CSの前にハイインテンシティのチームとやれたのは良かったです。このままだったら絶対に優勝はできないと思うので、だからこそ明日(第2戦)は絶対に勝たないといけないと思っていますし、試合内容にもっとこだわらないといけないと思います」

A東京は第2戦に勝利するか、広島ドラゴンフライズが川崎ブレイブサンダースに敗れた場合にCS出場が決定する。他チームの結果ではなく、自らの手でCS出場をつかみ取ることが一番の特効薬となるはずだ。