ここまで平均13.5得点、3ポイントシュートは47.8%の高確率

サンズは現地27日、アウェーでナゲッツと対戦し104-97で勝利した。この一戦の前、サンズは西カンファレンス最下位のスパーズに102-104で敗れ、プレーイン・トーナメントを回避できるカンファレンス6位浮上に向けて痛恨の取りこぼしを喫していた。それだけに、昨シーズン王者のナゲッツを相手に、ディフェンスでしっかり踏ん張って勝てたことは大きな意味がある。大黒柱のケビン・デュラントも「サンアントニオ戦のことを引きずらなくて良かった」と安堵する、価値ある1勝だった。

プレーオフに向け、サンズに求められるのはマーベリックス、キングス、ペリカンズらとの激しい争いを制し、まずはカンファレンス6位以上になること。そのためにはデュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールの『ビッグ3』以外のステップアップが重要となる。

そんな中、ビッグ3に続く存在として欠かせない戦力になっているのが、シューターのグレイソン・アレンだ。今シーズンにサンズに加入したアレンは、ここまで不動の先発として67試合に出場し、平均13.5得点、3ポイントシュート成功率47.8%、3.1アシストと自己最高のプレーを見せている。3月の成績は平均35.5分出場で15.6得点と、さらに調子を上げており、サンズがポストシーズンで勝ち進むためのキーマンと言える。

そして、アレンは今シーズン終了後にFAとなるため、これまでのプレーの質を維持できれば、現在の2年1,870万ドル(約28億円)を上回る大型契約が可能だ。

地元紙『アリゾナ・セントラル』の取材に対し、アレンは「契約のためにプレーすることは考えていない」と、今はチームのために戦うことに集中していると強調する。「このことをあまり早く考えたくはない。まだ3月で、レギュラーシーズンも10試合くらい残っている。契約は個人の目標であり、今はサンズのこと以外についてあまり考えたくない」

その上で次のようにサンズの居心地の良さを語る。「ただ、キャリアにとって重要な年に、自分に完璧に合ったチームでプレーできているのは本当に恵まれていると思う。ここまで多くの機会を与えられ、良いプレーをしてチームを助けることができているのは幸運だ」

名門デューク大でエースとして活躍したアレンは2018年のドラフト1巡全体21位でジャズに入団したが、ここまですでに3度の移籍を経験し、グリズリーズ、バックスでの2シーズンが最長と、定着できていない。しかし、これまでで最もフィットしていると言えるサンズで、ポストシーズンでも今の好調をキープできれば、大型契約を勝ち取れるはずだ。