ジェイレン・グリーンの37得点でウィザーズを撃破
ロケッツはウィザーズとのホームゲームで、第1クォーター中盤から一度もリードを失わない盤石の試合運びで135-119と勝利した。ロケッツは下位に沈んでいるものの、スパーズと最下位争いをするウィザーズに勝つことに驚きはない。だが、これで直近の7試合で6勝を挙げていると知れば、多くの人が驚くのではないだろうか。
本当に驚くべきは、31勝35敗といまだに勝率5割を切り、10位のウォリアーズとは3.5ゲーム差。レギュラーシーズンはあと16試合しか残っていないにもかかわらず、ロケッツがファイティングポーズを解いていないことだ。レジー・ブロックはこの連勝中、「順位を気にせず戦うような選手は、このユニフォームを着るべきではない」と言った。先発センターのアルぺラン・シェングンが右足首を捻挫し、大事には至らなかったものの今シーズンは恐らくもう出場しない。ジェイレン・グリーンはそれでも「スモールユニットならもっとプレースピードを上げられる。走って勝負ができる」と前向きであり続けている。
ヘッドコーチが代わり、これまで若手中心だったチームに経験あるベテランが加わって新しいスタイルを作り始めたが、そう簡単に結果は出ない。それがここに来て踏み止まれたのは、イメイ・ユドカが志向するチームディフェンスが形になってきたからだ。3月からの数字だけ見れば、今のロケッツのディフェンシブレーティングはリーグ5位。レジー・ブロックは言う。「ユドカは就任したその日から、最もフィジカルに戦うチームになるべく守備のメンタリティを植え付けた」
そのユドカは『The Athletic』に、「選手たちが慣れ親しんだのとは違う役割をやっていることも大きい。異なるバスケを理解し、今までとは違う選手とプレーすることを学んで成長していく。そういう意味でも時間がかかる」と語っている。
「多くの選手にとって、私の指導は今までのものより厳しいだろう。だが彼らはそれを理解して受け入れている。若手であろうと中堅であろうと関係なく、常に成長の余地はあるし、成長のスピードは人それぞれだ。選手たちが取り組む限り、私は忍耐強く向き合っていく」
ウィザーズ戦では好調なディフェンスが機能し、オフェンスではジェイレン・グリーンが37得点と結果を出した。すでに過去2シーズンも若いチームのエースを務めてきたグリーンは、まさにユドカの言う「慣れ親しんだのとは違う役割」を受け持ち、そこへの順応に苦しんできた。それでも彼はファイティングポーズを解かずに戦い続けている。シーズンハイの37得点を奪うだけでなくディフェンスでも奮闘し、リバウンドは8を記録。「フィジカルに戦うメンタリティ」は彼の中でも定着しつつある。
グリーンは言う。「ケガ人が出てしまったのは残念だけど、みんなで結束して戦い続ける。『スーパーディフェンス』は最低限やるべきことで、とにかくアグレッシブに、自分らしくプレーすることを心掛けたんだ」
シェングンは戦線離脱となったが、ジャバリ・スミスJr.とアメン・トンプソンがスモールラインナップで今まで以上の責任を担い、ベンチから出るジョック・ランデールのプレータイムが増えて対応している。ここから順位を上げてプレーイン・トーナメントに進む可能性は限りなく低いと言わざるを得ないが、最後まで勝利にこだわって戦い続ける姿勢は、若いチームに『良い習慣』となって身に着きそうだ。