ジョシュ・ホーキンソン

ルカHC「少しでもうまくなろう、前に進もうという気持ちをこのチームは持っています」

3月2日、3日とサンロッカーズ渋谷はアウェーに乗り込んで宇都宮ブレックスと対戦した。開幕から快進撃を続けるリーグ随一の難敵を相手に、終盤まで接戦を演じたSR渋谷だったが手痛い連敗を喫した。

初戦は前半に宇都宮をわずか25失点に抑えてリードを奪った。それでも、後半の猛攻を食い止められず、残り30秒で試合をひっくり返される痛恨の逆転負けだった。第2戦は逆に序盤から宇都宮に先手を取られ、なんとか1桁のビハインドで食い下がったが、試合の流れを変えることができずに70-77で敗れた。

3日の試合後、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「昨日はもっと競ることができていました。しかし今日に関しては、私たちより宇都宮さんのほうが出だしから完全に試合を優位に進めていました。宇都宮さんは自分たちの強みでしっかりとアドバンテージを得ていました」と振り返る。

この宇都宮のアドバンテージとして代表的なモノが比江島慎、DJ・ニュービルの2大エースの決定力だった。ルカヘッドコーチも次のように脱帽していた。「今回の2試合に関して、やはり宇都宮さんは比江島選手、ニュービル選手と本当に存在感の大きい2人がビッグプレーを決めていました。それは宇都宮さんにとってはすごく大きかったかなと思っています」

勝利という大事な結果は得られなかったSR渋谷だが、一方で中心選手の田中大貴を欠く中、2試合続けて宇都宮と終盤まで競り合いを演じられた。シーズン序盤に比べれば、明らかにチーム力が向上し、他の上位陣との差が縮まっていることを示している。

ルカヘッドコーチも、満足はしていないがチームの進化について手応えを得ている。「足りないところをどんどん伸ばす。少しでもうまくなろう、前に進もうという気持ちをこのチームは持っています。今回、2試合とも勝てなかったですが、この気持ちを持ってチームが成長していなければ、ここまで競り合うことはできなかったです」

SR渋谷の大黒柱であるジョシュ・ホーキンソンは、アジアカップ2025予選Window1の中国戦に出場するなど、代表活動を経てのプレーと過酷な状況だったが、いつも通りのハードワークで攻守を支えた。「昨日の試合を落としてしまったのは、すごく大きな痛手でした」と特に初戦の黒星を悔いたホーキンソンは、第2戦の敗因に、SR渋谷が23本中7本成功に対し宇都宮が32本中15本成功と大きな差が生まれた3ポイントシュートを挙げる。

「今日の試合に関しては、宇都宮さんのプルアップの3ポイントが本当によく入っていたと思います。打ってくることは分かっていましたが、それを止めることができなかった。逆に私たちはオープンで3ポイントを打つチャンスで決め切ることができなかったです」

ジョシュ・ホーキンソン

肩の痛々しい負傷も言い訳せず「どの選手もどこかしら痛みを抱えながらやっています」

ホーキンソンは中国戦で激しいコンタクトによって右肩を負傷し、肩の部分に痛々しい青あざが残っている。本人はこれを言い訳にするつもりは全くないが、右肩を痛めた影響は少なからずある。それでも第2戦は21得点8リバウンド6アシストと攻守で奮闘し、劣勢の中でも最後まで食い下がる立役者となった。

現在のコンディションについて、ホーキンソンはこう語る。「今はそこまで腕を上げることができていないです。中国戦以降でシュート練習をできたのは木曜日か、金曜日くらいでした。フローターだったり、シュートタッチを比べると、やはりケガをする前と今回では全く違うと思います。ただ、その中でもやり続けるしかないですし、どの選手もどこかしら痛みを抱えながらやっています。そこは本当に戦い続けるしかないです」

この連敗でSR渋谷は21勝20敗となり、チャンピオンシップ出場の最後のスポットを多くのチームと争っている。今シーズンが日本で7年目となるホーキンソンだが、これまでポストシーズンでプレーしたのは来日1年目のB2プレーオフのみ。だからこそ、頂点を争うステージでのプレーを切望している。「チャンピオンシップへの出場はSR渋谷に移籍してきた一つの大きな理由です。B2で戦ったことはありますが、B1に比べるとレベルも違いますし、今年こそは優勝を争う舞台に立ちたいです」

もちろん今の順位は、自分たちの望んだ位置ではない。だが、ここから十分に巻き返しは可能とホーキンソンは言い切る。「今回、少し後退してしまったのは事実ですが、レギュラーシーズンはあと19試合ありますし、同地区での対戦相手が多いです。(地区2位のシーホース)三河さんともまだ3試合残っています。同地区のチームをここから倒すことができれば、僕たちより前にいるチームに追いつくことは十分に可能だと思っています」

6日、SR渋谷はホームで三河との大一番を迎える。ここで勝ってCS出場に向けて勢いをつけるためには、ホーキンソンの攻守に渡るハイパフォーマンスが不可欠だ。