B1は『川崎ブレイブサンダース』、B2は『アルティーリ千葉』が優勝
日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループの一つであるデロイト トーマツグループのスポーツビジネスグループは、BリーグのB1とB2に所属する全クラブを対象に、ビジネスマネジメントの側面(経営面)からランキングした『Bリーグマネジメントカップ 2023』の結果を発表した。今回のランキングでは、B1は川崎ブレイブサンダースが2020年シーズン以来3年ぶり2回目の優勝、B2はアルティーリ千葉がB2参入初年度で初優勝となった。
デロイト トーマツは公式サイトで「スポーツビジネスの一層の発展に向けて、事業や経営といった観点での関心と理解を広げることを目的に、『マネジメントカップ』を発表しています。クラブのマネジメントにおいて、いかに試合に勝つかという『フィールドマネジメント(FM)』とともに重要なのが、いかにビジネスとして収益を上げ、また事業拡大をするかという『ビジネスマネジメント(BM)』です。『Bリーグ マネジメントカップ』は、Bリーグから公表されたB1とB2に所属する全クラブの財務情報などの公開情報をもとに、BMにおいて重要なテーマである『マーケティング』『経営効率』『経営戦略』『財務状況』の4つの視点で計11のKPIを設けて分析し、それぞれの集計を基にランキングしています」と説明し、6回目の結果についてはこう続けた。
「今回の『Bリーグマネジメントカップ2023』は、コロナ禍による入場制限が解除されたシーズンで、入場者数、入場料収入共に大きな伸びとなり、B1、B2ともに売上高は過去最高水準を記録しています。2026年シーズンから始まる『B.LEAGUE PREMIER』参入条件に必要な『売上12億円以上』を満たしているクラブは、2019年シーズンにおいては4クラブでしたが、2023年シーズンでは17クラブにまで増加しています。一方、B1の債務超過クラブは大幅に減少したものの、B2では未だ6クラブが債務超過の状況であり、早期の改善が望まれます」
そして、優勝した川崎、A千葉について以下のようにコメントしている。「川崎ブレイブサンダースは、マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の全分野で上位3位以上になるバランスの良さで、特に財務状況において、2位以下と15ポイントもの差をつけたことが1位の決め手となりました。ダイナミックプライシング等の施策が功を奏し入場料収入が伸びており、財務分野のKPIである売上高は前年比75.2%アップ、売上高成長率、自己資本比率もB1トップクラスの高い水準となっています。コロナ禍でも地道にDXコンテンツを積み上げ、TikTokのフォロワー数はB1トップの126,600人で川崎の全SNSフォロワー数の45%を占めています。川崎は映像コンテンツの価値をいち早く見出し、新規ファンの獲得導線としてYouTubeを活用してきましたが、TikTok利用も映像コンテンツ活用という同じ文脈の施策ととらえることができます。また、動画コンテンツで獲得した新しい顧客層を定着させファン化してくための分析や取り組みも積極的に展開しています」
「アルティーリ千葉は、平均入場者数、売上高、自己資本比率の3つの指標で1位となり、B2初参入ながらリーグトップクラスの集客力と財務力を背景に堂々の初優勝となりました。また、B2で唯一『B.LEAGUE PREMIER』参入条件に必要な『売上12億円以上』を満たしているチームでもあります。A千葉は、2020年にゼロから立ち上げたクラブですが、クラブの設立当初から、クリエイティブとデザインをすべて内製化して徹底的なクラブブランディングを展開しているのが特徴です。クラブ内でも、BM側の関係者だけでなくFM側の関係者ともブランディングの意識を共有しており、空間創りや演出、グッズやサービス等、あらゆることにこだわっています。結果としてそのブランド力がクラブ内やファンはもちろん、パートナー企業や地元自治体にも浸透してきており、B2としては突出した入場者数を達成する等の結果に大きく貢献しているものと考えられます」
◾️『Bリーグ マネジメントカップ2023』ランキング上位結果
*B1
1位 川崎ブレイブサンダース 236・65・41・63・67
2位 琉球ゴールデンキングス 224・69・42・65・48
3位 千葉ジェッツふなばし 207・65・33・65・44
4位 宇都宮ブレックス 194・68・31・58・37
5位 秋田ノーザンハピネッツ 181・48・33・48・52
*B2
1位 アルティーリ千葉 97・27・10・32・28
2位 熊本ボルターズ 96・33・18・29・16
3位 佐賀バルーナーズ 95・37・23・15・20
4位 バンビシャス奈良 92・24・23・35・10
5位 長崎ヴェルカ 88・34・11・21・22
ポイント表記:左からBMP総計、マーケティング、経営効率、、経営戦略、財務状況
◾️ランキングの算出方法
マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の4つの視点に対して、デロイト トーマツが独自のKPIを設定し項目別にランク付けを行い、そのランキングに応じたビジネスマネジメントポイントを付与。なお、ビジネスマネジメントポイントが同点の場合、マーケティングの順位が上のクラブが上位クラブとなる。(以下、経営効率、経営戦略、財務状況の順に同様の判定)。各KPIは以下の通り。
マーケティング:平均入場者数、アリーナ集客率、客単価
経営効率:1勝あたりチーム人件費、1勝あたり入場料収入
経営戦略:売上高・チーム人件費率、SNSフォロワー数、グッズ関連利益額
財務状況:売上高、売上高成長率(B1のみ)、自己資本比率
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