馬場雄大

攻守で躍動、日本屈指の2ウェイプレーヤーであることを証明

バスケットボール男子日本代表は『FIBAアジアカップ2025予選 Window1』の第2戦で中国と対戦。終盤までもつれる接戦となったが、最後まで主導権を渡さずに76-73で競り勝った。

この勝利の最大の立役者となったのが、グアム戦をコンディション不良で欠場した馬場雄大だ。先発出場した馬場は大黒柱のジョシュ・ホーキンソンを超える37.07分間コートに立ち、ゲームハイとなる24得点を挙げて日本を牽引した。3ポイントシュートは6本中4本成功と高確率で沈め、持ち味である縦への推進力を生かし、両チーム最多となる8本のフリースローを獲得し、そのすべてを決めた。

代表でのベストゲームと言えるパフォーマンスを披露した馬場は、終始クールにプレーできたと言う。「最初は簡単に3ポイントシュートが打てた状況で、空いたら打つというメンタリティでいました。今日は入ったのが良かったですし、そのことによって3ポイントを警戒し始めたので、ペイントエリアの空間を見つけました。そこは得意としているところなので、ディフェンスの守り方を見て冷静に判断しました」

オフェンスの主役となった馬場だが、特筆すべきはディフェンス面での貢献も大きかったこと。中国のフィジカルなスクリーンをかいくぐって執拗にボールマンを追いかけ、アウトサイドシュートを打たせず、フィニッシュまで行かれないような絶妙なポジショニングでへばりつき続けた。トム・ホーバスヘッドコーチは試合後、スクリーンに対してアンダーで守ることで簡単に3ポイントシュートを打たれ、中国のビッグマンにオフェンスリバウンドに飛び込まれることを嫌ったと明かしたが、馬場のディフェンスはまさに指揮官が求めるモノだった。

馬場は言う。「個人として受け身のディフェンスをしたくなくて、攻めるディフェンスを意識していました。トム監督が自分たちからアクションしていくディフェンスをコートで表現しろといつも言っています。それはBリーグの試合で意識してやっていることで、だからこそスムーズに攻め気のディフェンスができたと思っています」

馬場雄大

「中国にやり返すことができたのがうれしい」

今回の中国からの勝利は、主要国際大会では1936年のベルリン五輪以来88年ぶりの快挙だ。チーム全員が再び歴史を変えたことを素直にうれしく思っているが、馬場はホーバス体制となって初めての試合で敗れた相手からのリベンジ達成を何よりも喜んでいる。

「まず、88年ぶりに勝てたこと。そして、トム監督の一番最初の試合で中国に負けたところで、やり返すことができたのがうれしいです。チーム全員がフィジカルにできたからこそ、40分間やり切れたからこそ勝てたと思っています。いかにチームメートやコーチを信じてやることができるかというところにフォーカスして今日はやりました。チームの勝利だと思います」

日本はホーバスの初陣となったワールドカップ2023予選Window1で中国と対戦したが、第1戦を63-79、第2戦を73-106で落とした。最悪な船出となったが、あれから約2年3カ月の時を経て、ワールドカップの成功や今回の中国撃破など、日本は大きく成長した。馬場はその最初の試合に出場していないが、海外組としての期待値を上回るパフォーマンスがなかなかできない時期もあり、指揮官の前で自身の成長を見せることができたことを誇った。

「こういう試合で表現するためにトム監督と練習をしてきました。磨きをかけた自分を今日は見せれたと思っているので、ずっと見てもらっているトム監督に褒めてもらえてうれしいです」

今後はBリーグでの戦いが再びスタートし、さらに約5カ月にはパリ五輪の大舞台が待ち受ける。馬場は『洗練させていく』と言い、今後も爪を研ぎ続ける。「空いたら打ち、それで出てきたらドライブして仲間を生かす。その『キレ』を上げていきたいと思っています。一個一個の細かいところを上げていかないと、パリに行った時に戦えないと思っているので。一つひとつ、技術の精度を探求していきたい」