緊張がなくなった後半に好プレーを連発
2月22日、バスケットボール男子日本代表はアジアカップ2025予選の初戦に臨み、グアム代表を77-56で下した。
最後まで3ポイントシュートの精度が上がらず、前半はリードを許すなど、期待値を下回る内容となったが、この試合でA代表デビューを飾った川島悠翔の存在は数少ない収穫の一つとなった。
18歳の川島は今回のメンバーで最年少。初のA代表でのプレーだけに「前半は緊張していた」と、なかなか持ち味を生かせなかった。それでも、後半は特に悪い流れが続く中、アグレッシブなドライブや味方との合わせから得点し、試合の流れを変えるパフォーマンスで自身の存在意義を示した。
「チームメートの皆さんが声をかけてくれたので、2回目の交代から雰囲気にアジャストできました。流れが悪い時に自分のドライブで流れを持ってこれたのは良かったと思います」
川島は13分56秒のプレータイムで6得点3リバウンド2アシスト1ブロックを記録。200cmの長身を生かしてオフェンスリバウンドに絡み、オフェンスが停滞した時間帯にはオフボールムーブでフリーになるシーンがあるなど、積極的なプレーが目立った。
「自分の武器であるドライブやアグレッシブなディフェンスとリバウンドを求めているとトム(ホーバス)さんが言っていたので、全力で遂行しようという気持ちでこの試合に臨みました」
間に合わなかったダンク「ちょっと抜いちゃったんです」
指揮官のホーバスも川島のプレーを高く評価し、だからこそプレータイムも伸びたと明かした。「6カ月か8カ月くらい会ってないかな。本当に伸びた。この合宿で彼はすごく上手になりました。だから、ビッグマンの中では当たり前にこのチームに入るかなと思いました。前半、少しミスとかあったんですけど、彼のプレーは全然悪くなかった。トランジションのブレイクとか、リバウンド、ディフレクションとか、ティップとか、彼のエナジーが大事だと思っていて、だから彼のプレータイムが長くなったんです」
短い時間で結果を出すことは簡単ではない。劣勢の場面ではなおさらだ。それでも川島は見事にそのポテンシャルの高さを証明し、中国戦のロスターも勝ち取った。
グアム戦の終了間際にダンクを決めたが、これは惜しくも間に合わずカウントとならなかった。しかし、これはガベージタイム(大差がつき勝敗が決している終盤の時間)にリードしているチームが派手なプレーをしてはいけないというNBAのような暗黙の了解を気にし、躊躇してしまったためだという。
「国際試合だから、そういうの(暗黙のルール)があるのかなって思って、ちょっと抜いちゃったんです。惜しい感じになりましたが、次はしっかりと時間内に決めたいと思います」
初の代表戦でそういったルールを気にする余裕があったところに川島の大物ぶりがうかがえる。本日の中国戦ではそういった配慮を抜きに、幻となった豪快なダンクを決めてもらいたい。