W杯後、初の代表活動「この合宿はパリ(五輪)に向けた最初のステージです」
2月16日、バスケットボール男子日本代表は2月22日にグアム代表、25日に中国代表を相手に行われるアジアカップ2025予選Window1に向けての強化合宿を行った。参加メンバーはワールドカップ2023でアジア1位となりパリ五輪出場の快挙を成し遂げた国内代表組に加え、あと一歩でワールドカップ出場を逃した須田侑太郎、金近廉といったお馴染みのメンバーが中心となっている。その他にはA代表では久しぶりとなる今村佳太、初めての合宿招集となる阿部諒、ジョシュ・ハレルソンらが名を連ねている。
ワールドカップ2023終了後では初めてとなる代表活動にトム・ホーバスヘッドコーチは「この合宿はパリ(五輪)に向けた最初のステージです」と語る。そしてパリ五輪の目標について言及した。「目標はグループリーグを突破して、(上位8チームによるトーナメント方式の)第2ラウンドに行くことです。それは(グループリーグで)1勝か、2勝のどっちが必要かは分からないです。これまで日本がやっていないことを達成したいです。アメリカに行った時、(渡邊)雄太とも話して、この目標は好きだと言ってくれました。簡単なことではないですけど、できると思います」
ちなみに東京オリンピックの方式と同じだと、参加12チームを3つのグループに分け、各組の上位2チーム、3位の中の上位2チームの計8️チームが、トーナメント方式の第2ラウンドに進むことになる。そのためには、少なくとも1勝以上が必要だ。
今回のWindowは国内組のみ、さらに過密スケジュールのBリーグの合間を縫っての開催ということで準備不足での大会となることは否めない。そういったマイナス条件を考慮した中でもホーバスヘッドコーチは「ワールドカップは長い準備をしての大会でした。今回はメンバーもちょっと変わります。でも質を下げたくはない、少しでもステップアップしたいです」と語る。
「中国にはずっと負けているので勝ちたい。ここで勝ったらより自信が増します」
また、試合のメンバー登録は12名の中、「15名くらいで戦いたいです」と22日のグアム戦、25日の中国戦では一部、メンバーを入れ替えて戦うことを示唆。「今まであまり使ってこなかった今村、金近や初めてのジョシュ・ハレルソンとか、いろいろとやってみたいです」と、チームの底上げをテーマの一つとしている。
「阿部諒はBリーグで平均14.0得点、4.8アシストです。今まで2番ポジションは富永(啓生)や比江島(慎)とスコアラーの選手ですが、彼はいろいろとできます。今村もオンボールのペイントアタックが良くなり、2年前と比べると大人です。プロフェッショナルになったので、チャンスをあげたかったです。金近は身体が強くなった感じです。去年のワールドカップはギリギリでの落選でした。(Bリーグでの)この半年の経験は大きいと思います」
このアジアカップ予選は、24チームを6つのグループに分け、各グループの上位2チームが自動的に本大会に出場する。そして、各組3位チーム(全6チーム)でトーナメントを行い、4チームが本大会に出場できる。日本が入ったグループCを見ると中国以外はグアム、モンゴルと格下であり、中国は負けても許容できる相手と言える。
中国にはホーバス体制発足当初のワールドカップ2023アジア予選で63-79、73-106と連敗。そしてアジアカップ本大会では、これまで0勝14敗と負けが続いている。こういった背景も踏まえ、ホーバスヘッドコーチは当然のように結果にこだわるという。「2年半前くらいは大差で負けました。ワールドカップで良い結果が出て自信はつきましたが、中国にはずっと負けているので勝ちたいです。ここで勝ったらより自信が増します。パリを見ていますが、グアムと中国に勝ちたいです」
22日、25日と指揮官がどんなメンバーを選んで、どんな戦いを見せてくれるのか。パリ五輪に向けた第一歩として大きな注目が集まる。