妹ステファニーとの共演「いつか代表で一緒にやりたいと思っていました」
パリ五輪世界最終予選(OQT)に臨む女子代表において、今大会が恩塚亨ヘッドコーチ体制では初の代表入りとなるのが馬瓜エブリンだ。東京五輪で銀メダル獲得に貢献後、1年の充電期間を経て今シーズンからコートに戻ってきたエブリンは、デンソーアイリスを皇后杯制覇に導くなどブランクを感じさせないプレーを披露。その結果、負けたら五輪出場がなくなるOQTの大一番で代表復帰を果たした。
恩塚ヘッドコーチの下では、今回のOQTが初の実戦となるエブリンだが、「コンディション的にもしっかりと戦う準備ができています。あとは、やってきたことを試合で出せるかというところだと思います」と大一番を前にした心境を語る。
今回の代表はフィジカルや高さで対抗するのが困難な相手に対し、今まで以上にスピード、運動量で相手を圧倒し、3ポイントシュートを決めて勝ち切るスタイルを強調したメンバー編成となっている。それを表しているのが、エブリンのセンター起用で「いろいろとやっていく中で、すごく手応えを得ているところはあります。代表でセンターをやるのは久しぶりで、そういう意味でも良いところを出せたらと思います」と、本人もポジティブにとらえている。
また、馬瓜にとって今大会は、妹のステファニーと一緒にFIBA国際試合でプレーする初めての機会となる。「いつか代表で一緒にやりたいと思っていました。代表では初めてですが、同じチーム(トヨタ自動車アンテロープス)でやった経験はありますし、チームの雰囲気を2人で盛り上げていきたいと思います」と語り、誰よりも自分のことを熟知しているステファニーの存在は心強いと続ける。
「自分のことをしっかり分かってくれていて、落ち込んでいたら『大丈夫だよ』と言ってくれたり、お互いに声をかけながらやっています。ただ、お母さんから『連絡をしっかり入れなさいよ』と2人にメッセージが来たので、そこはお姉さんとしてしっかりしたいなと思います(笑)」
そして、久しぶりの代表復帰ではあるが、気心の知れたメンバーがいることで、リラックスして大一番に臨めると言う。「心強い仲間がいるので、1人で戦うわけではないです。自分の調子が良かったらみんなを鼓舞していきたいです。ただ、落ち込んでいると宮崎(早織)に『ふざけるな』と言われるので(笑)、そういう意味でも楽しんでやれると思います」
エブリンはすでにムードメーカーとして、チームにしっかりと溶け込んでいる。彼女の持つポジティブなパワーは、重圧のかかる大舞台になればより重要となる。そして、東京五輪など何度も修羅場を経験している点も心強い。
「今までやってきたこと、恩塚さんの求めてきたものをあとは試合で出すだけです。試合を通して成長していくのが、今回は見られると思います」。最後にエブリンは、こう意気込みを語ってくれた。彼女が言及したような進化を披露できれば、結果は自然とついてくる。