大野ヘッドコーチも称賛「成長を感じています」
2月9日、千葉ジェッツは琉球ゴールデンキングスと激突。持ち味の堅守を発揮し、76-62で危なげない勝利を収めた。とはいえ、第1クォーターは琉球の激しいプレーに苦しめられ、16-20と出だしは決して良くなかった。この悪い流れを、第2クォーターにひっくり返したのが千葉の勝因となったが、ここでチームに勢いをもたらしたのが原修太だった。
第2クォーター、千葉は21-10とディフェンスが光ったが、大野篤史ヘッドコーチは「ディフェンスのリズムを取り戻せた要因は原です。彼がインテンシティのレベルをもう一段階上げてくれ、それでオフェンスもリズムに乗れました」とその貢献を称えている。
この試合、原は勝負の第4クォーターでフル出場を果たすなど、27分間の出場。5得点に終わったものの、第4クォーターの中盤にインサイドに切れ込みギャビン・エドワーズのダンクを演出するなど、今シーズン最多の5アシストも記録。攻守に渡って見事な活躍を見せた。
「前節で連勝が14で止まっていて、止まった次の試合が大事であることはみんな分かっていました」と、この試合の意義を語る原は、自身の出来について「シュートが入っていない中でもここまでプレータイムをもらえたのはポジティブにとらえていいのかなと思います」と続ける。
千葉の2番、3番のポジションは、石井講祐とアキ・チェンバースの先発コンビに、主将の小野龍猛、田口成浩がいて、さらに司令塔の西村文男も状況によってはツーガードで起用されるなど、リーグ随一の層の厚さを誇る。それでも先週の栃木ブレックスとの大一番も含め、ここに来て原のプレータイムは確実に増えている。
その理由は、持ち前のフィジカルの強さを生かした守備にある。大野ヘッドコーチは、「ディフェンスが良い選手を使います。オフェンスに関してはとんでもないターンオーバーがない限り、多少は目をつぶって起用しようと。ゲームの中でアジャストできるようになってきていて成長を感じています」と評する。
「落ち着きを持てれば良いプレーができます」
出場機会が増えた理由を原自身はこうとらえている。「自分のやることにフォーカスするだけ。シュートが入る、入らないというよりディフェンスのインテンシティを上げることで、もっと貢献できる。このシーズンが始まる前から思っていたことを徐々に出せてきていることが、プレータイムの増加に繋がっていると思います」
また、オフェンスについては「昨シーズンまではシュートを決めたい気持ちが強すぎたところがありました」と語り、今は良い意味でシュートに固執しないでプレーできていると言う。その意識が、この試合での5アシストとなり、「守備をしっかりやってプレータイムを勝ち取っていけば、試合の中でも余裕が出てきます。落ち着きを持てれば良いプレーができます」と、彼自身の中でもディフェンスから好循環を作り出せている。
原はオフにコンディションを崩したことによるトレーニング不足もあって、シーズン序盤は出場機会がほとんどなかった。それが今年に入り、同じポジションに故障者がいるわけでもない中、ローテーションの一角として15分以上のプレータイムを安定して得ている。
まさに今がステップアップしている時。それでも、「今はプレータイムが増えていますが、求められていることを100%以上出すことに集中するだけです」と一喜一憂することはない。
「千葉は誰が出ても活躍できます。自分の調子が少しでも悪いと第4クォーターには違う選手がプレーする。今のプレーを継続しつつもっとアグレッシブにいけたらと思います」と、自身の最大の武器である守備にさらにフォーカスしてリーグ勝率トップを走るチームに貢献したいと考えている。
千葉はリーグ最速のトランジションオフェンスが武器だが、それも堅守があってこそ。そのインテンシティレベルを上げられるトリガー役として今、原は存在感を大きく高めている。
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