精華学園

インターハイで8強入りし、ウインターカップ4強入りを狙う精華女子をアクシデントが襲った。県予選最終戦の東海大学付属福岡戦開始直後に、留学生のアキンデーレー・タイウォ・イダヤットが負傷。本大会欠場を余儀なくされた。3年生の谷千優キャプテン、樋渡梨桜、2年生スコアラーの清藤優衣はタイウォの抜けた穴を全員でカバーすることを誓い、ブレることなく目標のベスト4へ向かう。

「コロナ禍を経験し一つひとつの試合を大切に」

――谷キャプテン、自己紹介をお願いします。

 大阪薫英女学院中学出身、背番号「4」です。得意なプレーはドライブ、好きな食べ物はヨーグルトです。韓国ドラマを見るのが好きで、好きな作品は『キングホテル』です。

樋渡 普段は面白くて、場を盛り上げてくれます。コートではキャプテンとして声を出してチームをまとめてくれる。一番に引っ張ってくれる存在で、めっちゃ頼もしい。ギャップがいいです。

清藤 ボケとツッコミ両方できます。食べるのが遅いです。バスケでは点が欲しい時に確率の高いジャンプシュートで助けてくれます。あとは、プレー以外でもチームを鼓舞し続けてくれます。

――樋渡選手、自己紹介をお願いします。

樋渡 れいめい中学出身、背番号「5」です。ポイントガードで、得意なプレーはトランジションからのジャンプシュートで、好きな食べ物は抹茶です。オフはYouTubeを見るか寝ています。

 自分と好きなものが合ったり、好きな味付けも結構一緒で、話すことも被ったり、気が合う部分が多いです。プレーではガードとして、いろんな人とコミュニケーションを取っていて、学年関係なくしゃべれます。

清藤 一見クールに見えるんですけど、実はツッコミが地味に面白くて冷静にツッコんできます。

――最後に清藤選手もお願いします。

清藤 埼玉県春野中学出身のフォワードでオールラウンドに点を決められるところが武器です。好きなアイドルは韓国のTREASUREで、好きな食べ物はオムライスです。

 プレーではスキルがあってかっこいいのに、オフコートでは好きなアイドルのテレビ番組を見てキャーキャー言ってます。意外と騒ぐ一面もあってギャップですね。

――3年間を振り返って。

 1年時や2年時は目標を達成せずに終わりました。コロナで試合を辞退しないといけなかった経験から、今年は一つひとつの試合を大切にして、一人ひとりが楽しめたことで、勝ち切れた試合も多かったです。留学生も入って、持っていた力以上のモノが出たことで成長できました。

樋渡 1年時は、ウインターカップ予選準決勝で東海大学付属福岡に負けて、本大会に出場できませんでした。2年時の新人戦とインターハイ予選はコロナの影響で辞退し、今まで持っていたシード権を失いました。新人戦も1回戦スタートで、ウインター予選もシード校が準々決勝から登場するのに対し、1回戦から戦いました。

清藤 大会辞退が続いて、当たり前にバスケができる環境があったのがそうでなくなり辛かったです。夏のミーティングで、夏休みをどう過ごすかという話になって、チームで目標を立て直して、一つになって戦おうと再認識しました。

タイウォ欠場「オフェンスはシュートを決め切る」

――今年はインターハイ、トップリーグ、ウインターカップと全国の舞台に立てました。

 インターハイは3学年全員にとって、初の全国の舞台でした。フィジカルやシュート力など必要なレベルが分かりました。ベスト8以上のチームと戦えたのは京都精華学園1校だけだったので、トップリーグを通して他の7チームと戦えて、通用するものと足りないものがはっきりしました。並行して行われたウインター予選は、その通用した部分を出せました。2位でしたが、次の週の京都精華学園戦をはじめ、全国ベスト4以上のチームと戦って、ウインターの準決勝や決勝をイメージできました。

樋渡 トップリーグは留学生がいる試合といない試合を経験しました。タイウォがケガをして、彼女がいたらできるプレーが通用しなくなって、そこで気付いた課題を練習で改善しようと取り組めました。士気も上がったし、全体の会話が増えたと思います。

清藤 留学生のタイウォが出られなくなったことでサイズは小さくなりましたが、そこをカバーしてディフェンス、リバウンドを全員で徹底しようと、チームとして良い状況が生まれています。最初に掲げた全国ベスト4の目標がブレることはありません。

――4強、日本一に近づくためには。

 1本1本のシュートをしっかり打つだけじゃなくて、決め切って終わることです。練習で出ているタ―ンオーバーを少しでも減らして、攻撃回数が増えるように質を高めていくことです。武器である激しいディフェンスからブレークを出す回数を増やしたいです。

――大上晴司コーチに対する思いを。

 1年時からですが、ただ教えるだけじゃなくて面白さを入れながら教えてくれます。今年になって、さらにボケる量が増えました。バリエーションも増えて、練習中にみんなが笑顔になる回数が増えたと思います。うらみというか……、ラントレを尋常じゃなく入れてきます。自分たちのためで、楽しめていても、キツイのはキツイです。

清藤 新人戦で膝をケガして8カ月~10カ月ぐらいプレーできませんでした。仲間もですが、先生方にも、ずっと声かけていただいて支えられました。アシスタントコーチの梶原志保先生と野村瞳先生にも感謝しています。2人の的確な指示や、たまに喝を入れてくれる言葉があるからこそ、ちゃんとやらなきゃとプレーを高められます。

――大会でのアピールポイントは。

樋渡 新チームが始まった時から、笑顔で戦うことは大切にしていました。部員が多くて、応援席で応援してくれるメンバーも多いです。応援歌も楽しみにしてほしいです。個人的にはポイントガードとして速い展開を作っていくことが役目なので、速攻で自分が点を取っていくところと、武器のジャンプシュートを決め切るところを見てもらいたいです。

――3選手とも福岡県外出身です。親御さんへの感謝の気持ちも強いのでは。

清藤 ウインターカップの会場は埼玉から近いので、たくさんの知り合いが応援に来てくれます。初めてプレーを見せられる人もいますし、親もなかなか試合に来られないので、自分の役割を果たして感謝の気持ちをプレーで表現したいです。

――谷キャプテン、最後に意気込みを。

 3年生は3年間やってきたものを、1、2年生はこの期間でやってきたことを大舞台で見せることが良い経験になりますし、これからにも繋がります。笑顔で楽しんで、チームを鼓舞して、見ている人にバスケの楽しさを伝えられるようにしたいです。キャプテンとして、チームを勝利に導きます。