まだ心身ともに優勝を狙える状態だからこその苦言
1月23日に西カンファレンス10位のペリカンズに122-124で敗れたキャバリアーズは、直近7試合で5敗目を喫した。順位こそまだ東カンファレンス首位をキープしているが、昨シーズンの優勝チームとは思えない失速ぶりと言わざるを得ない。当然ながら、誰よりも今の状態に満足していないのは『キング』ことレブロン・ジェームズだ。ペリカンズ戦後に不満を露にし、自身が43分も出場した現状を問題視。あらためてプレーメーカーの獲得が必要だと訴えた。
「球団には現状に満足してもらいたくはない。個人的な感覚で言えば、昨シーズンのチームより弱くなっている。十分な戦力がない状態で過酷なレギュラーシーズンを戦い抜くのは至難の業だ。今のチームは、オレとカイリー・アービングとケビン・ラブだけの不安定なチームだ」
厳しい指摘ではあるが、ジェームズは誰か一人を槍玉に挙げているわけではない。事実、キャブズはケガで離脱中のJR・スミスの代役としてカイル・コーバーというトップクラスのシューターを獲得した。必要なのは、層の厚いチームの戦力を十二分に生かせる司令塔に他ならない。
「チームには絶対にプレーメーカーが必要だ。もちろん、外に出て木を見つけるように、簡単に見つけて来いなんて言うつもりはないさ。そういうことではないんだ」
ジェームズは今年で33歳になる年齢を挙げ、「時間を無駄にはできない」とも言う。
「今年の冬には33歳になる。無駄にする時間なんてない。そういうことを言っているんだ。もし心身ともに優勝を狙える状態でなければ、こんな問題提起はしない。実際はまだまだやれるけれど、問題を解決しないといけない。ここまでは酷い2017年だ」
ジェームズは試合翌日Twitterで、「チームのフロントに苛立っているわけではない。グリフィンGMとスタッフは素晴らしい仕事をしてくれている。ただ、2連覇を果たすにはチームのレベルをより高める必要があると感じているんだ。もし、チームが連覇したいのなら」と説明している。
キャブズが苦しい状態を抜け出すには、レブロンの発言で現有戦力の尻に火が点くことも必要だ。トレード期限までにジェームズが求めるレベルのプレーメーカーを獲得するのは簡単な仕事ではないが、絶対的エースがここまで訴えている以上、無視するわけにもいかない。キャブズのフロントは、この難題にどういう答えを出すのだろうか。