ケイド・カニングハム

ニックス戦で31得点8アシストも勝利には繋がらず

現地11月30日、ピストンズは敵地でのニックス戦に敗れた。これで16連敗で、10月末に連敗がスタートしてから11月は丸1か月に渡り勝ち星がなかった。どの試合も点差の離れた大敗が続く中、このニックス戦では序盤のビハインドを覆して終盤まで競った展開に持ち込んだのだが、42得点を挙げたジェイレン・ブランソンの終盤の勝負強さを止められず。112-118で敗れた。

「我々は威厳を取り戻したと言える」とヘッドコーチのモンティ・ウィリアムズは言う。16連敗で威厳を語るのはピンと来ないかもしれないが、彼はこの長い連敗中を通して選手のミスを指摘することはあっても責めず、悔しい経験から学び、良い習慣を身に着けることにフォーカスしてきた。

このニックス戦は敗れたが、バック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2試合目となる敵地での試合にもかかわらず、最後まで戦い抜いた選手たちの姿勢を指揮官は称えた。「選手たちが発したエネルギーは良いものだった。これから、すべての試合でこのレベルでプレーできるようにならなければ」

ブランソンにブリッツを仕掛け、局面局面でゾーンディフェンスも使った。レイカーズ戦に敗れてすぐに移動しなければならない状況でも、モンティはディフェンスのやり方を変え、選手たちはそれを実践した。「今までとは違うディフェンスによく対応してくれたし、効果は見られた。ターンオーバーが多すぎて負けたが、力を出し切った感はある。これを繰り返していけば勝てるようになる」とモンティは言う。

2勝17敗という戦績は事前のどんな予想よりも悪いが、モンティにもピストンズのフロントにも焦りはない。泣いたり怒ったりパニックになっても事態が改善しないことを彼らは知っている。モンティが新たなヘッドコーチになり、新たなバスケを導入すること、エースのケイド・カニングハムが長期離脱からの復帰であること、さらに開幕からケガ人が多く出たことなど、序盤の苦戦を予想させる要素は複数あった。だからこそモンティは、少しずつでも着実にチームが前進することを望んでいる。

カニングハムもそれは理解している。彼はニックス戦のパフォーマンスを「正しい一歩」と定義してこう語る。「昨日からいくらか前進できたのは間違いない。それがなければこのリーグでは戦っていけない。今日のようなメンタリティで戦うことを僕らのベースにしなきゃならない。最も大切なのはディフェンスでコミュニケーションを取って連携することだ。自分たちの力を発揮して良いバスケをする。その一心でやっているよ」

31得点8アシストと攻撃の中心としての役割を果たすカニングハムだが、チームが勝てていないのでは満足はできない。「簡単に勝てるとは思っていない。僕らが考えるのは毎日成長を重ねていくこと。ここで足を止めずに進み続けること。家に帰ってしっかり身体を休めて、また次の試合に向けて準備をしていくよ」

その表情に笑みはない。かなり苦しい時期を過ごしているが、やるべきことは分かっている。「大事なのは進み続けること、チームとして一つにまとまること。仲間と支え合って、お互いを引き上げていきたい」