ルディ・ゴベア

開幕13試合で10勝、西カンファレンスの首位に立つ

ティンバーウルブズは開幕13試合で10勝を挙げて西カンファレンスのトップに立っている。ジェイデン・マクダニエルズが足首を痛めて数週間の戦線離脱となり、チームは今シーズン初めての壁にこれから直面するが、そこを乗り切ればチームの可能性はまた開けてくる。ニックス戦ではマクダニエルズが開始わずか4分でケガをしたが、代わりに入ったニキール・アレクサンダー・ウォーカーがジェイレン・ブランソンのマークを見事に務め上げた。アレクサンダー・ウォーカーは「僕たちは全員一緒に戦っている。コートの中でも外でもケミストリーがあり、それがプレーにも役立っている」と語る。

昨シーズン終盤にチームメート同士で殴り合った雰囲気は一掃されている。ルディ・ゴベアの獲得で大いに注目された昨年オフから一転、今年はオフこそ静かだったが開幕から試合を重ねるごとに周囲が良い意味で騒がしくなっている。

昨シーズンは大黒柱のカール・アンソニー・タウンズがケガをし、チームはバラバラになった。その轍はもう踏まない。一番変わったのはゴベアだろう。昨年は注目を浴びたと同時にチームへの順応に手間取り、ミネソタのファンから懐疑的な目を向けられてプレーに集中できなかった。去年の今ごろはホームの観客からブーイングさえ浴びる有様だった。だが今の彼はファンの心をつかんでいる。指揮官クリス・フィンチは言う。「ファンがルディのプレーを楽しんでくれているのはうれしい。ルディはオールディフェンシブチームのレベルでプレーし、汚れ仕事も引き受けている。それが観客の心に響いているんだ」

今シーズンのゴベアは冷静かつ思い切ったプレーができている。ニックス戦でも前半はミッチェル・ロビンソンにオフェンスリバウンドを取られたが、後半にやり返した。ボックスアウトで激しくやり合っている間に納得いかないファウルを取られることもあったが、彼はイライラすることなく「ただ自分らしくやり続けるんだ」と自分に言い聞かせながらプレーを続けたという。ゴベアの弱点は気性の荒さ。そこで自制できるのであれば、彼は強い。

第3クォーター途中に印象的なシーンがあった。ロビンソンのシュートをゴベアが叩き落すも、こぼれ球をニックスに拾われて3ポイントシュートに繋げられる。このシュートがリングに弾かれた時、ゴベアはロビンソンを完璧なボックスアウトで締めだし、バウンドしたボールを落ち着いて拾った。ボールを奪いに飛び込んで来たジュリアス・ランドルのファウルで試合が止まると、ゴベアはミネソタのファンからスタンディングオベーションで称えられた。

「観客からの愛情を感じる瞬間はいつだって最高の気分になれる」とゴベアは言う。「僕はファンのためにいつだって最高のゴベアであろうと努力しているし、今後もそうやっていきたい。あの時もフリースローに失敗したし、良いプレーばかりできるわけじゃないけど、常に200%の力を出そうと努力することは約束できる。その努力が評価されるのはうれしいよ」

「僕たちは勝ちたい。勝つために必要なことは何でもする。これまでそうしてきたように、チームが良くなるように努力し続けるよ」