隙のない守備で川崎ブレイブサンダースをわずか60点に封じた栃木ブレックス、旧NBLセミファイナルのリベンジに成功

2017/01/21
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

川崎の強力オフェンス陣にイージーシュートを打たせず

現在リーグで黒星が2桁未満のチームは18チーム中わずか4チームしか存在しない。東地区首位のアルバルク東京と西地区首位のシーホース三河、そして、栃木ブレックスと川崎ブレイブサンダースだ。

栃木と川崎はBリーグ初顔合わせ。両者が最後に対戦したのは昨年5月の旧NBLプレーオフのセミファイナルだ。当時、レギュラーシーズンの成績で上位ながら敗れた栃木にとってはリベンジマッチの意味合いも含まれていた。

両チームともオン・ザ・コート数は「1-2-1-2」を選択した。最初にペースを握ったのはホームの栃木だった。球際の強さを見せポゼッションをキープすると、遠藤祐亮のトランジションから古川孝敏が3ポイントシュートを決める理想的なオフェンスで得点を重ねる。ディフェンスでは川崎の得点源であるニック・ファジーカスに対しライアン・ロシターが身体を寄せて手元を狂わせ、イージーシュートを打たせなかった。

11-0と栃木が走ったところで川崎はタイムアウトを要求。その後はファジーカスとジュフ磨々道の個人技で反撃するも、栃木が21-14とリードして第1クォーターを終えた。

第2クォーターは両チームともオン・ザ・コート「2」。しかし川崎は栃木のスピードに対抗するため外国籍選手を用いず永吉佑也を起用、ライアン・スパングラーとのコンビにインサイドを託した。だが、この策を打ち破ったのがジェフ・ギブスだ。高さでは劣るギブスだが強靭な肉体と長いウイングスパンを駆使しインサイドで連続得点を記録。川崎はたまらず永吉をベンチに戻した。

一方の栃木は起用策が当たる。途中出場のトミー・ブレントンが高さのミスマッチから起点を作り、自らも得点しながらインサイドからのパスアウトでチャンスを作り出し、渡邉裕規の3ポイントシュートをアシストするなどリードを広げる立役者となった。

ケガに苦しんだ古川が完全復調、勝利をもたらす働き

後半に入ると栃木は苦しい時間帯を迎える。第1クォーターはジュフ磨々道とファジーカスの2人に得点を依存していた川崎だが、第3クォーターではボールも足も回り、コートに立った7人が得点を挙げる効果的なオフェンスで栃木を翻弄する。

それでも最終クォーターに入ると、栃木は気を引き締め直す。特にディフェンスで最大限の集中力を発揮。ピック&ロールに対してはスイッチせずマークマンがそのままスクリーナーをかいくぐりストレスを与え、インサイドのディフェンスではパスを受ける位置を遠ざけ、リングに近い位置でシュートを打たせなかった。

こうして川崎にタフショットを打たせ続けた結果、ラスト6分で川崎の得点はフリースロー2本による2点のみ。相手の反撃を断ち切った栃木は、残り42秒、藤井祐眞のディフェンスをかいくぐった古川がタフショットを決めて70-60として勝利を決定づけた。

栃木のヘッドコーチ、トーマス・ウィスマンは、昨シーズンのセミファイナルの屈辱を忘れていなかった一人。「昨シーズンのNBLのチャンピオンチーム、現在の勝率1位のチームに対ししっかり40分間やりきることができた今日のパフォーマンスに満足しています」。明日の試合にも「自分たちもチャンピオンの気持ちを持っているということを証明したい」と意気込んだ。

チームハイの16得点を挙げた古川はヒーローインタビューで「1試合を通して全員でやりきって勝てた勝利だと思います」と全員バスケを勝因に挙げた。昨秋にケガで長期離脱、復帰後もなかなか本調子を取り戻せず苦しんだが、得意の3ポイントシュート2本だけでなくインサイドに切り込んでの得点も多く、またアシストもシーズン最多の4を記録。幅広い仕事を安定してこなせる持ち味がようやく出せるようになってきた。

川崎はファジーカスが21得点、磨々道が11得点、スパングラーが7得点と、得点源が抑えられた。60得点は今シーズン最少の数字。また腰を痛めている辻直人はこの試合もベンチ外と、こちらも心配な状況だ。

12得点8リバウンドと要所で決定的な仕事をした竹内公輔は「明日も勝たないと今日勝った意味がない。絶対にもう1勝する強い気持ちを持って戦う」と2連勝を誓った。