18.0得点、15.3リバウンド、フィールドゴール成功率80.0%
昨シーズンは17勝65敗でリーグ最低勝率だったピストンズが、開幕から2勝1敗で勝ち越しています。特筆すべき補強はモンティ・ウィリアムズをヘッドコーチに迎え入れたぐらいで、近年のドラフトで獲得した若手有望株の成長を促すシーズンとなっていますが、昨年のドラフト1巡目13位で指名したジェイレン・デューレンが新たな核になるべく結果を残しています。
208cm113kgのデューレンは『動けるビッグマン』ですが、アウトサイドのシュート力があるわけではなく、近年では珍しいインサイド専任のタイプ。スピードとパワーでゴール下を制圧しています。スクリーナーとしてプレーメークに絡み、迫力あるダイブでゴール下に飛び込むと、ここまで3試合で平均18.0得点、フィールドゴール成功率は80%と高確率で押し込んでいます。
昨シーズンのピストンズはフィールドゴール成功率がリーグ最低、アシストは27位と苦しみましたが、しっかりとパスを呼び込んでは『超』が付く高確率でフィニッシュし続けるデューレンの存在は、オフェンスの改善に大いに貢献しており、加えてオフェンスリバウンドも3試合で平均6.0とミスの多いチームメートを救うプレーを連発しています。デューレン個人としての活躍は、チーム全体の改善へと繋がってきそうです。
まだ3試合しか消化していないものの、平均9.3のディフェンスリバウンドに加えて2.7ブロックと、ディフェンス面でもゴール下の強みを発揮しているデューレンは、現時点でリバウンドでリーグのトップに立ち、加えて10代でのダブル・ダブルの回数でレブロン・ジェームスに並びました。11月18日の20歳の誕生日まであと10試合あり、この記録はまだまだ伸びそうです。
また、ブルズ戦の23得点以上、15リバウンド以上、5アシスト以上も10代の選手としてはNBAの歴史においてレブロンとデューレンのみの記録となっています。レブロンとは全く異なるタイプではあるものの、高い身体能力を生かしたダイナミックなプレーには共通する部分もあり、予想外にアシストを増やしている(4.0)こともあり、ここからどのように持ち味を伸ばしていくかが楽しみです。
開幕直後のちょっとした好調という面もありますが、10代の選手がポジションをつかみ、揺るぎないものにしていくには、スタートダッシュが非常に大切になります。チームに足りなかったゴール下での存在感は、デューレンを中心とした戦術を整備することにも繋がってきます。個人としてもチームとしても新たな可能性を感じさせる開幕3試合でした。