渡邊雄太

初めてプレーする選手が多い中で上々のパフォーマンス

現地10月8日、サンズは最初のプレシーズンゲームでピストンズと対戦した。デビン・ブッカー、ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールの『新ビッグ3』が先発に名を連ねるも、試運転の試合とあって13分から15分しかプレーせず。プレータイムを争う、ロスター入りを争うメンバーに多くの出場機会が与えられる中で、渡邊雄太はチーム最長の30分をプレーした。

第1クォーター途中に投入された渡邊は、ブッカーのアシストから初めて放った3ポイントシュートを沈める。ブッカーにディフェンス3人の注意が向いたところでのキャッチ&シュート。その直後にはエリック・ゴードンとのパス交換からプルアップも決めて、最高のスタートを切った。

後半立ち上がりには、速攻で自らボールをプッシュして、逆サイドでオープンになったグレイソン・アレンを見逃さずパスを送って3ポイントシュートをアシスト。続くポゼッションではそのアレンがリスタートから逆サイドでオープンになった渡邊をしっかり見ておりお返しのパスを送り、渡邊はこれを確実に決めている。

サンズは概ね良いプレーをしてリードを築いていたが、ホームのピストンズはサンズよりも主力をプレーさせる時間が長く、第4クォーターを38-18と猛烈に巻き返したことで、試合はオーバータイムに突入した。かくして渡邊のプレータイムも当初の想定より長くなり、そこで今日のハイライトプレーが生まれた。

延長残り3分、相手のピック&ロールに食らい付き、ダイブするビッグマンの動きに合わせて腕を伸ばしてパスを奪い取ることに成功。速攻では攻めきれなかったものの、そこでボールを受けた渡邊は、相手が3ポイントシュートを警戒して距離を詰める裏を突くドライブから、フローターショットを決めている。

最終スコア130-126でサンズが勝利。勝敗よりも内容が問われるプレシーズンゲームで、渡邊は30分のプレータイムで3ポイントシュート2本成功を含む10得点、5リバウンド1アシスト2スティールを記録。周囲の信頼を勝ち取るパフォーマンスとなった。ヘッドコーチのフランク・ボーゲルは渡邊について「素晴らしかった。オーバータイムでもチームを引き上げてくれた」と称賛。「攻撃も良かったが、それより守備の方で良いプレーをしていた。チームルールを理解し、常に良いポジションを取ることで、攻撃でも守備でも良かった」とコメントしている。

そしてブッカー、デュラント、ビールはわずかなプレータイムでも全員が攻め気たっぷりでプレーし、全員が2桁得点を記録。ここから連携が出来上がれば、魅惑のオフェンスが実現しそうだ。サンズにとっては上々のスタートとなった。