60分の1とはいえ、今後の成績を左右する大事な開幕戦

レバンガ北海道(昨シーズン19勝41敗/東7位)vs秋田ノーザンハピネッツ(昨シーズン29勝31敗/東4位)

昨シーズンの得点源だった外国籍選手が退団となり、スタイルの刷新が見て取れるロスターとなった北海道。これまで苦しんだディフェンスを強化するために舵を切ってきた覚悟が感じられる。またオフェンス面では連動を重んじたハーフコートバスケを志向しており、長らくアグレッシブなディフェンスを信条にしている秋田をどのように攻略するかが鍵となるだろう。ホームで幸先良く勝利して、桜井良太ラストイヤーを良い形で迎えたいところだ。

昨シーズンは選手、スタッフともに不安定なシーズンだったが、今シーズンは盤石な様子がうかがえる秋田。新加入の熊谷航と赤穂雷太は、アジア競技大会に参加のため欠場となるが、昨シーズンまでの主力が多く残っているため底力を発揮してほしいところ。新加入の外国籍2選手はアスレチックなタイプなため、しっかり守ったところから速いオフェンスを仕掛けていきたい。北海道とは直近2シーズンで8勝無敗と抜群の相性の良さを見せているだけに連勝を続けたい。

仙台89ERS(昨シーズン19勝41敗/東8位)vsアルバルク東京(昨シーズン42勝18敗/東2位)

東北カップを制覇した勢いを感じられる仙台。昨シーズンからの継続選手が多い中、ディフェンス重視のスタイルにフィットする阿部諒とヤン・ジェミンの加入は一貫性を感じられ、さらにスタイルが色濃く出るシーズンとなるだろう。昨シーズンに千葉ジェッツの連勝記録を止めたように、強固なディフェンスと高確率な3ポイントシュートがハマれば、強豪A東京にも勝利する力があるはずだ。チームの練度では上回っているため、これまで全敗のA東京から初勝利を挙げたいところ。

ケガに苦しめられたバックコート陣を大きく補強し、チャンピオン返り咲きを目論むA東京。昨シーズンは従来の「ルカバスケ」が見え隠れすることもあったが、今シーズンは新外国籍選手をはじめ、デイニアス・アドマイティスヘッドコーチの意向が反映されたロスターで、その手腕が存分に発揮されるシーズンとなるだろう。チームリーダーとしても一 回り成長した安藤周人や小酒部泰暉は、仙台のディフェンスを突き破る得点源として大いに期待される。

信州ブレイブウォリアーズ(昨シーズン29勝31敗/中3位)vs茨城ロボッツ(昨シーズン23勝37敗/東6位)

オフの間に主力選手の退団が相次いだ信州。昨シーズンにリーグ2番目に良いディフェンシブレーティングを叩き出したチームディフェンスを武器に、個々の力に依存しない組織立ったバスケを展開できるか鍵となる。今節の対戦相手の茨城は信州とは真逆のオフェンスチームであることから、新チームのディフェンス力試しには打って付けの相手てだろう。さらに昨シーズンに苦戦した3ポイントシュートの成功率をどのように上げてくるかも注目ポイントとなる。

主力外国籍選手2名のインジュアリーリスト登録からの緊急補強と、慌ただしくシーズン開幕を迎える茨城。想定していたスタイルを徹底できないのは痛手であるものの、ポテンシャルを感じさせる若手選手を多く獲得し、ステップアップが期待できる。ウイングのサイズでは信州に対して分があるため、アドバンテージを取っていきたい。スローペースに付き合わずに、いかにトランジションを意識して積極的にアタックできるかが勝負の鍵となるだろう。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(昨シーズン43勝17敗/西3位)vsサンロッカーズ渋谷(昨シーズン28勝32敗/中4位)

日本人選手の大部分は継続なものの、スコット・エサトンのインジュアリーリスト登録もあり、外国籍選手総替えで開幕を迎えることになった名古屋D。昨シーズンは離脱者が多い中でも、しっかりと勝利する層の厚さを見せていたため、変わらぬ完成度を発揮してくれるに違いない。ヘッドコーチが代わり選手も入れ替えてきたSR渋谷とは「継続性vs大型補強」といった対決構図になり、ここ数シーズン積み上げてきたモノを証明するためにも負けられない戦いとなる。

一線級の選手を揃えて、このオフにリーグを震撼させたSR渋谷。天皇杯でも順当な勝ち上がりを見せたが、リーグ戦でその真価が問われる。特にチャンピオンシップ常連の名古屋Dとの対戦となれば、チームの現在地を測るにはちょうどいい相手だ。どこからでも得点できるスーパーチームが、名古屋Dのディフェンスをどのように攻略するのか注目だ。2シーズンぶりに日本復帰となるルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチの手腕も目が離せない。

川崎ブレイブサンダース(昨シーズン40勝20敗/中2位)vs三遠ネオフェニックス(昨シーズン23勝37敗/中6位)

ニック・ファジーカスのラストシーズンで、悲願のBリーグチャンピオンを成し遂げたい川崎。主力選手はしっかり残しつつも、プレーメークにも秀でた走れる外国籍選手が2人加入したのは、川崎にとっては革新的なロスターと言えるだろう。天皇杯では個々の献身性がチーム力に繋がるような勝利で、レギュラーシーズンでも期待が高まる。今節は、佐々木隆成やコティ・クラークといった三遠の起点になる選手をどのように封じるかがポイントとなるだろう。

昨シーズンからの進化として、継続の選手が多い中でも着実なステップアップをオフに図ってきた三遠。特にクラークは攻守の要として対戦相手を苦しめる存在になるだろう。クラーク並みの活躍が見込まれるであろうヤンテ・メイテンもシーズンを通じて活躍することが、上位に食い込むために不可欠だ。日本人の得点源である細川一輝は欠場となるかため、金丸晃輔の大活躍に期待したい。昨シーズンも川崎との開幕戦であったが、惜しい連敗を喫しているだけにリベンジを果たせるか。

長崎ヴェルカ(昨シーズン43勝17敗/B2西2位)vs千葉ジェッツ(昨シーズン53勝7敗/東1 位)
本カードは、10月8日(日)7日(祝月)で開催される。激しいディフェンスとハイペース、さらに3ポイントシュート主体という現代バスケスタイルでB3、B2を戦い抜き、最短でB1昇格を果たした長崎。ブレイクした髙比良寛治や松本健児リオンがB1のコートで見られることは楽しみである。さらに馬場雄大の日本復帰など話題性にも事欠かず、昇格組と一括りにできない可能性を感じさせるシーズンを迎える。昨シーズン最高勝率を記録した千葉Jに土をつけられるか、開幕節から最大級にチャレンジな戦いが始まる。

昨シーズンに歴代最高勝率を叩き出したが、オフに主力の退団があった千葉J。主にインサ イドのロスターに変更があったが、機動力を生かせるロスターになったことでジョン・パ トリックヘッドコーチの真骨頂であるスモールボールが再び見られそうだ。また若手日本人選手も揃ったことで、昨シーズンにリーグを震撼させた組織的なスイッチディフェンスにも磨きがかかるだろう。奇しくもスタイルが比較的似ている長崎との開幕戦となるが、強豪クラブのプライドを見せてほしい。