ドリュー・ホリデー

「今ここにも優勝のチャンスがある」

ドリュー・ホリデーはチームの始動から1日遅れでセルティックスに合流した。先週末に入る時点で、彼がバックスを離れるとは予想できなかった。彼自身もデイミアン・リラードやジェームズ・ハーデンのトレードが自分に関係するとは思っていなかっただろう。しかし、それは起きた。リラードとのトレードでトレイルブレイザーズへ、そして再びのトレードでセルティックスへ。こうしてホリデーは、昨シーズンの東カンファレンスの1位から2位チームへと移り、3週間後の開幕に向かうことになった。

加入会見の最初に「相当慌ただしかったと思うけど?」との質問を受けた彼は「実際、慌ただしかったよ」と答えた。「家族もそこで暮らしていて、学校があったし友達もいた。でもこれはビジネスの一部だ。今回のトレードは僕にとって間違いなくチャンスとなる。だから僕はチームを成長させ、優勝の手助けをしたい。慌ただしかったけど、どこに住むと便利かみたいな情報をすぐに教えてくれた。僕は家族のことを一番に考えているから、それはすごく助かったよ」

バスケの面での心配は全くしていないという。ヘッドコーチのジョー・マズーラからは、トレードが決まるとすぐにセルティックスの攻守の基本情報をまとめた動画が送られてきたそうだ。「歓迎されていると感じるし、このチームの一員になれて良かったと思う」と彼は言う。

「トレードのことがあって、最終的にどこでプレーするのかいろいろ考えた。期待したくもなるけど、それは失望をより大きくするだけかもしれない。でも、セルティックスに来ると決まってからは思い悩むことは何もない。僕は勝つためにプレーしていて、優勝が狙えるチーム、充実した組織を持つチームに来たかった。バックスでは優勝のチャンスがあり、それを実現させた。今ここにも優勝のチャンスがある」

ホリデーの契約はプレーヤーオプションとなる最終年を除けば今シーズン限り。今後の展望についてブラッド・スティーブンス球団社長は迷うことなく「彼にはここで長くプレーしてもらいたい。踏み込んだ会話をするのはもう少し先になるが、今の契約年数を超えた付き合いを望んでいる」と言い、ドリューも「彼が最初に伝えてくれたのがそのことだ。僕にとって本音のコミュニケーションはとても重要なんだ」と感謝する。

ホリデーが今回の移籍で最も楽しみにしているのは、TDガーデンをホームアリーナとしてプレーできることだ。「あのクレイジーな雰囲気が好きなんだ。ここのファンはリーグ最高のシックスマンとしてチームを後押ししてくれる。ウインドミルのダンクよりもルーズボールに飛び込んだりハードワークを見るのが好きなタイプだよね。僕もできる限りハードに、ガッツを出してプレーする選手だ。ファンをより熱狂させたい」

突風に巻き込まれたような数日間だったが、今はすべてがクリアになった。今のホリデーは何も迷うことなく、前に進もうとしている。マーカス・スマートという『チームの魂』を放出したセルティックスにとっても、その穴を完璧に埋めるであろうホリデーの加入は大きく、リラードを獲得したバックスに引けを取らないチームとなった。古巣バックスとの対戦についてホリデーはただ一言「楽しみだ」と答えている。