「彼のプレーを見た時、その動きから私との多くの共通点を見た」

バックスのヤニス・アデトクンボは、さらなる進化を求めて殿堂入りセンターのアキーム・オラジュワンに弟子入りし、ワークアウトを行った。ナイジェリア出身のオラジュワンは、同国出身の両親の元で生まれたアデトクンボにとって子供の頃から憧れの存在だ。圧倒的な身体能力から繰り出す迫力満点のアタックでNBAを支配しているアデトクンボが、『ドリームシェイク』と評された変幻自在のステップワークで相手をかわし得点を量産したオラジュワンの技を少しでも会得したら、今まで以上の脅威となるのは間違いない。それだけに2人の邂逅は大きな注目を集めていた。

ヒューストンの地元テレビ局『Fox26』の元スポーツディレクターであるマーク・バーマン氏は、自身のSNSでアデトクンボとのワークアウトを終えたオラジュワンのコメントを紹介している。オラジュワンはヒューストン大学を経て、17年間をロケッツで過ごすなどヒューストンと繋がりが深く、現在もヒューストン在住とバーマン氏とは旧知の仲だ。

一見すると、『剛』のアデトクンボに『柔』のオラジュワンというイメージがあるが、オラジュワンの見解は違っていた。「ワークアウトはとても光栄だし、特別なものだった。彼のプレーを見た時、その動きから私との多くの共通点を見た。彼の動きに関する詳細や秘密について話し合えたのは素晴らしい体験だった」

また、具体的には「スピンムーブは、インサイドだけでなくアウトサイドからのドライブ、方向を変える動きにも応用できる。その点についてトレーニングを行なった」と明かしている。

そして、何よりもオラジュワンは、すでに世界屈指のバスケットボール選手の地位を確立していながら進化に貪欲なアデトクンボの姿勢を絶賛している。「ヤニスのようにあらゆる事を成し遂げている選手が、自身のプレーをもう1つ上のレベルに到達させようと成長することを目指している。これは本当に素晴らしい。彼のバスケットボールに対する姿勢、最高の選手になりたい思いの強さがよく表れている」

数日間のワークアウトで何かが大きく変わることは難しい。しかし、アデトクンボのような最高レベルの選手の場合、わずかな進化でも相手にとっては大きな脅威となる。新シーズン、彼のスピンムーブに注目してみたい。