大塚裕土

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

「みんなが僕に点を取らせようと良いパスを」と感謝

1月19日に富山市総合体育館で行われたBリーグオールスターは、142-130でB.WHITEが勝利。そのB.WHITEから、会場を最も沸かせた大塚裕土がファン選出による大会MVPに輝いている。

「入場する時からワクワクして、プレーする時も本当に楽しかったです。前半はちょっとシュートが入りませんでしたが、後半は去年の分までババッと当たりが来て良かったです」と喜びを語る大塚は、前半こそ2得点に終わったが、第3クォーターに10分間フル出場で9本中6本の3ポイントシュートを決める20点の活躍。22分のプレータイムで6本の3ポイントシュート成功を含む24得点を挙げた。

最初の3ポイントシュート成功は第3クォーター開始直後。同じ富山グラウジーズでプレーする宇都直輝のアシストを受けて3ポイントシュートを沈めると会場は大いに盛り上がったが、「1本決まれば身体も軽くなるので」という大塚にとってはここからが真骨頂だった。ファストブレイクの2点シュートを挟んで、3ポイントシュートを4本連続で成功させ、大塚にパスが渡るたびに客席が息を呑むような雰囲気を作り出した。

前半は2得点だったシューターによる突然の『大爆発』について、「あれは大野(篤史)ヘッドコーチのおかげです。後半に富山の3人(大塚と宇都、水戸健史)を入れたのは流石だなって。あそこで雰囲気がガラリと変わりました」、そして「B.WHITEのみんなが僕に点を取らせようと良いパスを送ってくれました」と大塚は周囲のお膳立てに感謝する。

宇都はオールスター選出が決まった時から「水戸さんと大塚へのアシスト」を公約に掲げていたし、bjリーグ時代の秋田ノーザンハピネッツで大塚とチームメートだった富樫勇樹も「後半に大塚選手が乗った時点で、MVPをアシストしようとみんなで話し合っていました。勝たなきゃMVPはないので、まずは勝つこと。そして大塚選手に点を取ってもらおうとしました」と語る。

大塚裕土

「皆さんの盛り上げで本当にプレーしやすかった」

そんなチームメートの協力に、会場の後押しも乗っかる状況で、大塚は次々とシュートを沈めていった。『非日常の舞台』であるオールスターの雰囲気を作ってくれたファンにも、大塚は感謝の言葉を忘れない。「レギュラーシーズンから会場を温めてくれるんですけど、さらに今日は全国各地からコアなブースターの皆さんも一緒に盛り上げてくださったので、本当にプレーしやすかったです。皆さんのためにも決めたいというのがあって、そんなパフォーマンスができて本当に良かったです」

去年のオールスターでは13分の出場で2得点と、他の選手の引き立て役に回ったが、今年は堂々の主役に。「こうなるとは全く予想していなかったんですけど、素晴らしい結末が待っていて、言葉では表せないぐらいバスケットをやっていて思い出になる一日になりました」と語る。

リーグ戦は23日からすぐ再開となる。富山はここまで18勝14敗と、Bリーグ3年目にして初のチャンピオンシップ出場を視界に入れているだけに、オールスターの熱気をチームの強さに変えて後半戦に臨みたい。大塚も「代表戦もあり、今回のオールスターもあって、バスケ熱が盛り上がっています。富山県をさらにバスケットで熱狂させられるように、グラウジーズが頑張っていきたい」とさらなる活躍を誓った。