主力が離脱も新たに作り出すチームケミストリーに期待

昨シーズン序盤に大黒柱であるウェイン・マーシャルをケガで欠き、以降もロスターがなかなか揃わない厳しい状況が続いたものの、結果的には29勝30敗と健闘を見せた。中でも純粋なディフェンス力を示すディフェンシブレーティングはリーグ2番目に良い数字を叩き出した。しかし、勝久マイケルヘッドコーチがTIP-OFFイベントで「今までで1番大変なオフシーズン」と語ったように一筋縄でいかないオフとなった。まず三銃士と呼ばれた岡田侑大、前田怜緒、熊谷航がいずれも退団。そして帰化選手となったジョシュ・ホーキンソンも移籍し、アンソニー・マクヘンリーも引退と、主力だった選手の離脱が相次いだ。しかし、石川海斗の復帰や韓国リーグ新人賞のフィリピン人、ロン・ジェイ・アバリエントスの加入、さらにエリエット・ドンリーや星野京介といった信州スタイルにフィットするであろう選手の獲得など光明も見える。個人の能力に依存しないチームディフェンスが信条のチームにとって、『日々、成長』して新しいケミストリーが生まれるシーズンになることを期待したい。

昨シーズンは3ポイントシュートの試投数がリーグトップながら、成功率がワースト2位と目論見通りのオフェンスが展開できていなかった。チームのコンセプトが大きく変わることはないと思うが、スタントン・キッドなどインパクトの大きい選手の加入でオフェンスにどのような変化があるか注目だ。突き詰めるとディフェンスで勝つチームであるため、いかに早い段階でチームディフェンスを仕上げられるか、勝久ヘッドコーチの手腕に期待したいところだ。

所属選手一覧

『FP（ファンタジーポイント）最多日本人選手』

※FP（ファンタジーポイント）は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。

石川海斗
当時B2だった2018-19シーズン以来、5シーズンぶりの信州復帰。昨シーズンはファイティングイーグルス名古屋で平均5.5得点、2.6アシストと、これまでのキャリアと比べると少しスタッツを落としていたため、今シーズンにかける思いは強いものがあるはずだ。ウェイン・マーシャルと栗原ルイスとともにキャプテンとしての期待もかかる。

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【注目選手】

サイモン拓海
プロ2シーズン目となる、兵庫生まれグアム育ちの若きシューター。昨シーズンは多くの出場機会を勝ち取っていたわけではないが、ロスターが変わった今シーズンはバックコートの得点源として成長が期待される。3ポイントシュートを量産して、ローテーションに食い込み、安定的な出場時間を勝ち取って欲しい。

ウェイン・マーシャル
ケガのため、わずか9試合の出場に留まり不完全燃焼だった悔しさを今シーズンにぶつけられるか。攻守に渡ってチームの要でヘッドコーチやチームメートからの信頼も厚い。長年ともにプレーしてきたマクヘンリーとホーキンソンが退団となり、マーシャル自身もチャレンジングなシーズンとなるだろう。