主力継続しつつも戦力アップを図り、一気にチャンピオンを目指す

並里成の獲得、水野宏太ヘッドコーチの招聘などで着実に戦力アップしてシーズンに臨んだ昨シーズンの群馬クレインサンダーズだったが、中盤以降に5連敗を2度も喫するなど波に乗り切れず、29勝31敗でシーズンを終えた。成績的には思い描いた結果は得られなかったものの、今年4月にオープンハウスアリーナ太田が開業するなど、地域に根差したクラブ運営は年々着実に深まっている。

群馬は今オフもサプライズ補強を敢行した。広島ドラゴンフライズから看板選手である辻直人を獲得し、昨シーズンのファイナルで大活躍し、千葉ジェッツに次いで2チームでチャンピオンを経験したコー・フリッピンを琉球ゴールデンキングスから獲得。新潟アルビレックスBBで主力を務めていた若手シューターの木村圭吾を補強するなど、昨シーズン苦しんだアウトサイドでの得点力が高い選手をしっかりと揃えてきた。さらに海外の強豪チームを渡り歩いてきたインサイドプレーヤーのベン・ベンティルも加入し、スキのない布陣に。初のチャンピオンシップどころかチャ ンピオンまで狙える個性派集団が、鶴のごとく飛翔することに期待したい。

昨シーズンは2ポイントシュートでの得点割合がリーグトップ、3ポイントシュートでの得点割合がリーグ最下位と、数字にはっきりとスタイルが表れていたが、今シーズンは3ポイントシュートが増えることは容易に想像できるだろう。昨シーズンはディフェンスでゲームが崩れる試合も少なくなかったので、強固なディフェンスを徹底しリズムよくオフェンスにつなげていきたい。菅原暉、八村阿蓮ら若手選手の成長もチーム力向上の大きな鍵だ。

所属選手一覧

『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』

※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。

並里成
移籍1年目となった昨シーズンは56試合中46試合で先発出場し、平均10.6得点、2.1リバウンド、7.0アシスト、0.8スティールと大活躍。オフェンスでは自分でフィニッシュしてもよし、アシストで得点を演出してもよしと抜群のプレーメーク力を発揮した。強靭なフィジカルを生かした当たり負けしないディフェンスでも貢献度が高い。

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注目選手

辻直人
リーグを代表する名シューターが電撃移籍。昨シーズンは平均9.8得点、3ポイントシュートは平均試投数6本で38.9%と驚異の確率を誇る。シュートだけでなくピック&ロールのハンドラーとしてプレーメークもでき、あらゆることを高次元でこなせる。『お祭り男』と称される、チームを明るくするキャラクターにも注目だ

トレイ・ジョーンズ
在籍3年目となった昨シーズンは平均20.3得点、4.1リバウンド、4.8アシスト、0.9スティールとオールラウンドにスタッツを量産。今シーズンはジョーンズ以外にもプレーメークできる選手が増えたが、ここぞの場面でボールを託されるエースとしての活躍が期待される。