文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

誰よりも『球宴』を楽しみ、圧倒的得票数でMVPに輝く

Bリーグ初の『オールスターゲーム』、富樫勇樹(千葉ジェッツ)は並々ならぬ気合いが入っていた。とはいえ、それはリーグ戦で見せる闘志ではなく、自分のスキルを存分に見せるとともに、自らが楽しむことで試合を盛り上げたい、という気合いだ。

『B.BLACK』のスターターとして試合に臨んだ富樫はティップオフからエンジン全開。得意のジャンプシュートやフローターを次々と決めるとともに、普段は見せないポストプレーをやってみたり、相手のユニフォームや腕を引っ張る小狡いディフェンスをやってみたり。その一つひとつのプレーを富樫は心から楽しんでいた。

最大の見せ場が訪れたのは第3クォーター終盤。速攻で抜け出した富樫は、ゴール下で待ち構えるチームメートのジャスティン・バーレルに向かって一直線。リングに向かって飛び上がった富樫は、JBに腰を持ち上げられてダンクシュート! そのままリングの上まで懸垂するパフォーマンスも見せ、代々木第一を埋めた9567人の観客を総立ちにさせた。

バーレルと決めた『たかいたかいダンク』については「練習はしていないですけど、JBにダンクがしたいということは相談していました。あとは試合中のアイコンタクトです」と説明した。

実は富樫は、今回の『オールスターゲーム』のドラフトの時から「ダンクを決める」と宣言していた。見事な『有言実行』を「人生初のダンクをBリーグ初のオールスターで決められたことはすごくうれしいです」と語った。

オールジャパンで取り損なったMVPをここで受賞

先週末にはオールジャパンで優勝し、大会ベスト5に選ばれている。オールジャパンにはMVP(大会最優秀選手)の設定がなかったが、あったとすれば富樫のMVP受賞は濃厚だった。1週間前に取り逃したMVPを『オールスターゲーム』できっちり回収したと言える。

オールジャパンの結果、そして今回の『オールスターゲーム』で、リーグ再開に向け富樫には大きな弾みがついた。ただ、今日のMVP受賞を「今日はチームメートなので素直にうれしいです」と祝福してくれた田臥勇太が、今度の水曜には敵に回る。

千葉ジェッツは18日、栃木県立県南体育館での栃木ブレックスでリーグ再開。千葉にとっても富樫にとっても、真価が問われる一戦となる。

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