「普通に戦っても、厳しい戦いになることは分かっています」
8月29日、バスケットボール男子日本代表がワールドカップグループリーグ最終戦となるオーストラリア戦に向け前日練習を行った。
メディアの取材に対応した河村勇輝は大一番に向けこのように意気込んだ。「アジアの他のチームが基本的に2勝していません。オーストラリアに勝つことができれば、パリオリンピックの出場権がほぼ決まる状況にあるので、それだけを目指して頑張っていきたいです」
日本の最大の目標はパリオリンピックの出場権獲得だ。ワールドカップでアジア勢の中で1位になればそれが叶い、2位に入れば五輪最終予選(OQT)の出場枠を獲得できる。アジア勢は日本を含めフィリピン、中国、ヨルダン、レバノン、イランの6カ国。河村が言及したように、日本以外のすべてのアジア勢は2戦全敗のため、フィンランド戦で歴史的な1勝を挙げた日本は目標としているパリオリンピックの出場権獲得に大きく近づいたと言える。
オーストラリアに勝利すれば、2次ラウンド進出が決定するが、当然ながら簡単な相手ではない。FIBAランキングは日本(36位)を大きく上回る3位で、大会直前にFIBAが発表したパワーランキングでは6位に位置している。また、敗れはしたもののグループリーグの第2戦でランキング2位のドイツと82-85の死闘を演じた。河村もオーストラリアの強さを理解しているからこそ、全員が100%の力を出し切る必要があると強調した。
「ドイツ相手にも良い戦いをしていますし、FIBAランキングもパワーランキングも上位のチームで普通に戦っても厳しい戦いになることは分かっています。フィンランド戦の4クォーターだったり、後半のようなバスケットを40分間やり続けることが大切になってくると思うので、一人ひとりが100%以上の力を出す、その準備をしておくことが大事だと思います」
また、河村はオーストラリアを「5人全員がスコアできるチーム」と表現し、個ではなくチームで戦う必要があると続けた。「とにかく5対5で、組織として今まで準備してきたことを出し切れるかの戦いになります。個々の戦いだと厳しくなると思うんですけど、組織になれば日本は勝てると信じています。フィンランドを相手にそういうバスケができたのは一つの収穫だと思うので、5対5で戦い抜きたいです」
そして、あらためて序盤から先手を取ることの重要性を示唆した。「誰が出ても積極的にプレーすることは大事だと思うし、相手にリードされる展開が続くようじゃ厳しい戦いになります。前半から自分たちのバスケットをやり通してリードする展開に持ち込む。そのためには積極性が大事になっていきます」