パオロ・バンケロ

指揮官カー「プレーメークできるセンターが非常に重要」

パオロ・バンケロはアメリカ代表でセンターを務めることになりそうだ。マジックでのルーキーシーズン、彼は1年を通してパワーフォワードとしてプレーし、センターはウェンデル・カーターJr.やボル・ボルが務めていたが、アメリカ代表のヘッドコーチを務めるスティーブ・カーは、プエルトリコとの強化試合でバンケロをセンターで起用し、今後についてこうコメントしている。

「バンケロはセンターで使うつもりだ。東京オリンピックで分かったのは、トランジションでボールをプッシュしたり、プレーメークできるセンターが非常に重要だということ。パワーフォワードとしてももちろんプレーできるが、センターとして起用するつもりでいる」

プエルトリコ戦でのバンケロは16分の出場時間を得て、そのすべてをセンターとしてプレーした。7得点1リバウンド1アシスト1ブロックとスタッツは目立たないが、スクリーンを掛けてチームメートの使うスペースを作り出し、トランジションでは積極的にボールをプッシュした。ディフェンスでは1対1の強さはもちろん、ペイントエリアを空けないクレバーな動きを見せ、リバウンドでも粘り強いボックスアウトでチームを優位に導いている。

東京オリンピックのアメリカ代表ではバム・アデバヨとドレイモンド・グリーンがセンターを務めた。今回はジャレン・ジャクソンJr.とバンケロがこの役割を任され、バンケロにはグリーンが代表でやったように、またウォリアーズでやっているように、守備の柱であるだけでなく攻撃の起点という役割も期待されることになりそうだ。

今回のアメリカ代表ではボビー・ポーティスとウォーカー・ケスラーもセンターとしてプレーできるが、プエルトリコ戦でのポーティスのプレータイムは10分、ケスラーが4分だったのに対してバンケロは16分で、チーム内での序列争いで一歩リードしていると言える。

ポーティスもケスラーもフィジカルの強さ、運動能力の高さはあるが、バンケロに期待されているようなプレーメークの能力を持ってはいない。そういう意味でも、バンケロがこのままカーの期待に応えていけば、センターとしての活躍の場は大いに巡ってきそうだ。