富樫勇樹

インサイドの攻防で優位に立てず

バスケットボール男子日本代表が韓国代表との国際強化試合に臨んだ。

日本の先発は富樫勇樹、西田優大、馬場雄大、吉井裕鷹、渡邉飛勇の5人。互いに帰化選手を欠いた状況での対戦となった。富樫が2本のプルアップスリーを沈め、吉井もコーナースリーを決めるなど、生命線である3ポイントシュートが効果的に決まった。また原修太が速攻に成功するなど、トランジションも出て序盤は互角の展開に。しかし、オフェンスリバウンドから3ポイントシュートを許し、フィジカル重視のパワープレーを止められず徐々に韓国のペースとなると、終盤に連続で3ポイントシュートを決められ19-27で第1クォーターを終えた。

第2クォーター開始直後、富樫がミスマッチを突かれてゴール下で失点しビハインドは2桁に。それでも、西田優大が自身のスティールから速攻を決め、逆速攻の場面ではハリーバックからオフェンスファウルを誘発するなど主導権を渡さない。さらに西田はドライブから渡邉のアリウープをお膳立てし、ポイントガードがいない時間帯にハンドラーの役割も務めた。

その後もディフェンスリバウンドを1回で確保できないなど韓国のフィジカルなプレーに苦戦したが、フィジカル負けしない吉井が個人技から連続得点を挙げれば、セカンドチャンスで比江島慎が3ポイントシュートを沈めて対抗し、39-45と点差を縮めて前半を終えた。

後半に入っても、韓国のフィジカル色の強いディフェンスをなかなか打開できない。3ポイントシュートを許して一時は再び2桁のビハインドを背負うなどなかなかペースがつかめずにいたが、富永が連続で3ポイントシュートを沈めて食らいつく。56-65で迎えた最終クォーター、インサイドアウトから比江島が3ポイントシュートを沈めて流れに乗りかけるが、馬場のダンクがブロックされるなど、韓国の強固なディフェンスが最後まで立ちはだかった。ドライブでペイントエリアに侵入しても効果的なキックアウトが出せず、シュートチェックが気になってリング付近のシュートがことごとく決まらない。そして、アウトナンバーの速攻のシーンでボールを失う痛いターンオーバーも続いた。

こうして、最後まで流れに乗れなかった日本はセカンドチャンスポイントを許し、残り2分でビハインドは10点に。その後、富永が意地の3ポイントシュートを沈め、ジェイコブス晶がプットバックでA代表初得点を挙げたが、韓国の背中をとらえきれず69-76で敗れた。