アンドリュー・ボーガット

写真=Getty Images

「チームファーストの精神を伝えるのは簡単ではない」

今シーズンのNBAで3連覇を目標にしているウォリアーズの2015年優勝メンバーであるアンドリュー・ボーガットは、現在、母国オーストラリアのNBLに所属するシドニー・キングスで現役を続けている。

そのキングスは、シーズン前半戦を終えてリーグ首位に立っている。NBAキャリア12年を誇るボーガットが、リーダーとしてチームをまとめているのだが、昨シーズンまで5シーズン続けてプレーオフ進出を逃していたチームの意識改革に繋がったのは、ウォリアーズで培ったチームファーストの精神だった。

ボーガットは、『The Sunday Telegraph』に、チームのメンバーに見られる変化について語った。

「成功を収めるチームというのは、スタッツではなくて、良いプレーをしようとする選手が揃っているチームのこと。彼ら(ウォリアーズ)は、82試合もの長いシーズンを戦って優勝するためには、一人の力では勝てないことを理解している。その考え方を理解できれば、自然とチーム内に浸透するものなんだ」

「チームファーストの精神を全員に伝えるのは簡単ではないよ。フリーエージェントになる選手もいるわけだからね」と、ボーガットは続ける。

「残念だけれど、プロスポーツの世界では、代理人が選手の契約を取ろうとしてクラブと連絡をすると、選手のアベレージについて聞かれるんだ。ただ、優勝の可能性があるチームに行けば、個人の得点やリバウンドを犠牲にしないと行けない。チームの成功のためにね。それが何よりも難しい。自分たちは、そういう部分で少しずつ良くなっている。でも、浸透するには、まだ時間がかかるね」

何の競技であっても、チームスポーツならば、成功を収めるチームには共通点が多い。ボーガットは、スティーブ・カーの下、スター選手であるステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンらがエゴを捨て、チーム一丸となって戦うことで成功を収めたチームの一員だった。2015-16シーズンには前人未到の73勝9敗をマークし、NBA年間最多勝利記録を更新したウォリアーズには、間違いなくチームファーストの精神が浸透していた。同年のNBAファイナルでは、レブロン・ジェームズのキャバリアーズに逆転負けを喫したが、16年のオフにケビン・デュラントを加えてから2連覇を達成できた要因の一つは、全員がチームの勝利のために力を尽くすという意識がチーム内に根付いていたからに他ならない。

NBAキャリアで最も成功を収めた時期に学んだことを生かすため、ボーガットは母国で奮闘を続けている。

「まだ優勝するのに必要な位置にはいない。でも、少しずつ、そこに近づけている」