安定感抜群のディフェンスに長距離砲、持ち味を存分に発揮しての快勝
7月1日、バスケットボール女子日本代表が『FIBA女子アジアカップ2023』の準決勝でニュージーランドと対戦した。
日本の先発はこれまでと同様に山本麻衣、林咲希、馬瓜ステファニー、赤穂ひまわり、髙田真希の5人。開始1分で早くも3ファウルを犯すなど、序盤はコールの対応に苦しみ、重い展開で得点が伸び悩んだ。それでも、馬瓜がポストプレーから技ありのミドルシュート、髙田のエクストラパスからの3ポイントシュート、そしてドライブと多彩なフィニッシュから7連続得点で決めて流れをつかんだ。
ディフェンスでも全員がインテンシティの高いフィジカルな守備でイージーシュートを許さない。ダブルチームから24秒バイオレーションを誘発するなど安定していた。すると、日本の武器でもあるセカンドユニットが違いを作る。コートに立ったばかりの星杏璃がフリーで3ポイントシュートを射抜き、オコエ桃仁花もピック&ポップから長距離砲を射抜く。さらに本橋菜子も続き、最終ポゼッションには宮崎早織がドライブで締め、ベンチメンバーの活躍が目立った日本が24-11と2桁のリードを奪った。
第2クォーターに入り連続失点から点差を1桁に戻されるも、日本は慌てない。シュート精度が上がらず、開始から約4分で10点差と我慢の時間が続いたが、再びディフェンスから一気に流れをつかむ。ボールマンプレッシャーを強めつつ、スムーズなローテーションでタフショットを強いると、連続ターンオーバー奪取から山本、平下愛佳の得点に繋いだ。ここでニュージーランドはタイムアウトを取ったが、日本の強度の高いディフェンスの前に打開策を見い出せなかった。
その後も安定したディフェンスを軸にラスト約6分半を5失点に抑えた日本は、カッティングプレーも機能し、林のディープスリーで締めて47-25と大量リードを奪った。
後半に入っても、ディフェンスが崩れない日本のペースが続く。ポストアップされればダブルチームで起点を潰し、素早いローテーションでズレを作らせない。24秒バイオレーションを何度も奪い、オールコートディフェンスからパスミスも誘うなど、第3クォーター終了時点で17ものターンオーバーを誘発した。開始5分過ぎ、髙田が個人3つ目のファウルでベンチへ下がったが、インサイドを託された朝比奈あずさが身体を張ってゴール下を死守し、アドバンテージを与えなかった。攻めてはオコエ、髙田、山本の3連続3ポイントシュートが決まるなど、このクォーターも19-13と上回り、勝負を決定付けた。
最終スコアは88-52。日本は馬瓜がゲームハイの17得点を挙げ、オコエが16点で続き、平下と本橋も10得点に乗せた。相手から奪ったターンオーバーは24を数え、ターンオーバーからの得点で30-2と大きく上回った。日本は前人未到のアジアカップ6連覇へ王手をかけ、中国vsオーストラリアの勝者と決勝を戦う。