昨年、『ニックと肉』と銘打って、川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカスと『バスケット・カウント』編集部による忘年会を実施。そんな機会を我々が逃すことはなく、今年も早々に年末のスケジュールを押さえてもらった。
去年の忘年会は『Bリーグ初年度の得点王&シーズンMVP、最強外国籍選手』という肩書きだったニックは、日本国籍を取得するとともに父親になり、身の回りが大きく変化している。今回の会場はニックお気に入りの『カリフォルニア・ピザ・キッチン ラゾーナ川崎店』。ニックによるオススメメニュー5選を食べつつ、今夏からここまでのシーズン前半戦を振り返り、また子育てについても大いに語ってもらった。
『ニックと肉』ならぬ『ニックとピザ』で忘年会!
──「お気に入りのレストランでやろう」というこちらの提案にこの店を選びました。ラゾーナにはよく来ると聞いていますが、この店にも結構来ていますか?
僕にとっては簡単な選択だった。アメリカにもあるレストランだし、自宅から近い。川崎に加入する前にプレーしていたフィリピンにもあって、僕にとっては馴染みがある店なんだ。おいしいのはもちろん、メニューが豊富でヘルシーなものも多い。川崎のパートナーでもあって、ホームゲームには『THUNDERS KITCHEN』(とどろきのアリーナグルメ)で出店している。クラブをサポートしてくれているお店だから、僕もサポートしなくちゃね(笑)。
そんなわけで通っているんだけど、3月に息子が生まれてからは外食がちょっと難しくなった。でもこの店はテイクアウトもできるから大丈夫。「ニックです」と言えば、お店の人が分かってくれてスムーズに話が通じるから助かるよ。
──アリーナに出ているお店では『ニックスムージー』が売られているそうですね。
いつもクラブハウスの食堂で作ってもらっているスムージーなんだ。みんな練習後に夕食を取っているけど、僕は練習の後には食事をしないスタイルなので、スムージーを作ってもらって飲んでいる。ほうれん草とかケールといった青野菜系はあまり好きじゃないんだけど、フルーツを入れれば飲みやすいから、ここ何年かは飲むようにしている。
──では、ニックお気に入りの店ということで注文はお任せします。
ダイナマイトシュリンプ、アポカドクラブエッグロール、BBQカルビ+チポトレマッカンチーズ、ペパロニピザ、チキンファヒータピザ。これが僕の選ぶベスト5だね(自宅にて子守りをする奥さんへのお土産にはスパイシーチキンテンダーを選択)。
「シュート練習をできなかったのがストレスだった」
──ではバスケットボールの話をしましょう。夏に足首を手術して出遅れましたが、ようやくコンディションが良くなり、今はプレッシャーなくプレーできるようになったのでは?
足首の状態を含めてすべてが良くなっていて、前に感じていたようなストレスはなくなった。平日にしっかり練習できるようになったから、週末の試合への不安がないんだ。ジムで身体を絞って、シュート練習をする。こういった準備は僕にとって大事なものなんだ。
開幕当初は多くのシュートを外してフラストレーションが溜まっていた。やっぱり準備の問題で、いつもは夏の間、ワークアウトを週6日やっている。そのうちの4日、1日に500本のシュートを打ったとして1週間で2000本。それが6週間で1万2000本になる。それがこの夏は手術とリハビリでできなかった。シュート練習をできなかったのが不調の原因で、ストレスだったんだ。
──チームの成績については、どう感じていますか。開幕前、川崎は中地区の首位を独走すると見られていましたが、ここまで中地区は大混戦です。
成績についてプレッシャーは感じているわけじゃないけど、フラストレーションは溜まるね。今の状況は、NBAならロケッツのような感じだろう。ここまではロケッツもオフシーズンに期待されていたようなシーズンにならず、楽しめていないんじゃないかな。
でも、まだ多くの時間がある。優勝するためには必ずしもリーグのベストの成績を残す必要はない。正しいタイミングで勝つことができればいい。全体がしっかり噛み合えば強いチームになれるはずだ。
──2018年の川崎の大きな変化と言えば、東芝からDeNAに親会社が切り替わったことです。クラブの変化をどう受け止めていますか?
クラブは本当に素晴らしい仕事をしているよ。彼らの一員であることを誇りに思う。親会社がDeNAとなると分かった時点では、先行きが不透明なところもあった。ただ、元沢さん(元沢伸夫社長)はチームにプライドを持ち、より大きくしようとしてくれている。彼がトップにいてくれてハッピーだ。今は観客数の伸び率がリーグトップだし、ラゾーナでもチームロゴが入った服を着ている人を見かける。また、歩いていてファンに声を掛けられる機会も増えた。川崎ブレイブサンダースのことを知っている人たちは確実に増えていて、選手にはやりがいになるよ。
それにクラブは選手にとってプロフェッショナルな環境を整えてくれている。例えばエキップメントマネージャーのイッシー(伊敷仁美)が新たにチームに加わった。彼女がすべて準備してくれるので、選手はシューズを用意するだけ。他には何も持って来なくていい。
「チームメートとオフコートでも一緒に過ごすのは重要」
──年末のホリデーシーズンはどのように過ごしますか。
アメリカのような形で家族全員が集まって過ごすのは難しいけど、日本にいる大事な家族と一緒に過ごせるのは楽しいよ。チームメートとその家族も来てくれる。それに今年は、コロラド時代からの友人であるライアン・ステファンス(B3東京エクセレンス)が東京にいるので、彼とも会うつもりだ。
チームメートとオフコートでも一緒に過ごすのは重要だと思っている。練習と試合でだけ一緒、という関係にはなりたくない。同じ時期に川崎に加入したハセ(長谷川)、(篠山)竜青、辻(直人)は今、僕と同じように小さい子供がいる。これは素晴らしいことだと思うよ。
──2019年最初のビッグイベントである天皇杯について教えてください。ベスト8で対戦する千葉ジェッツにはどんなイメージを持っていますか。
千葉はトーナメントの勝ち方をよく知っている。コーチは選手たちのマネージメントがうまいし、彼らを打ち負かすのは簡単なことではない。それに開幕戦で僕らに連敗したのを覚えているし、激しい戦いになるだろうね。
さいたまスーパーアリーナでは昨年初めてプレーしたんだけど、会場の大きさに少し驚きがあった。今年はどんな大きさで、どんな会場の雰囲気かはもう経験している。昨年よりは良い大会としたい。タフな組み合わせとなったけど、1試合ずつ勝っていくことに変わりはない。
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