ドレイモンド・グリーン

プレーオフでサボニスの胸を踏み付けたグリーンがキングスに加わる?

キングスはエースのディアロン・フォックスが最優秀クラッチプレーヤーに選ばれ、その勝負強さを武器に西カンファレンス3位へと飛躍。2005-06シーズン以来の勝率5割超えとともにプレーオフ進出を果たした。ベテランのハリソン・バーンズは退団するが、フォックスとドマンタス・サボニス、ケビン・ハーターにマリーク・モンク、キーガン・マレーと主力のほとんどが契約を残しており、来シーズンはさらなる飛躍が期待できる。

さらにバーンズの契約満了、リショーン・ホームズのマーベリックスへの放出でサラリーキャップに3500万ドル(約47億円)前後の空きができ、フリーエージェント市場でビッグネームを獲得できる。

補強ポイントはパワーフォワードで、一番のターゲットはウォリアーズを長年支えたドレイモンド・グリーンだろう。ウォリアーズにとっては欠かせない選手であり、ジョーダン・プールをトレードしたことで再契約を結ぶ可能性が高まっているが、それでも出せる条件には限りがあり、キングスの方が良い条件を提示できるはず。これまでもグリーンは4度の優勝に主力として貢献しながら、最大でも今シーズンの2600万ドル(約35億円)と安いサラリーを受け入れてきた。33歳で大きな契約を得られる最後のチャンスに、ウォリアーズ以外を選択してもおかしくはない。

ウォリアーズとキングスはプレーオフのファーストラウンドで対戦しており、グリーンは第2戦でサボニスの胸を踏み付けた。リバウンド争いでもつれて転倒したサボニスが、近くにいたグリーンの足をつかんでしまったのがきっかけだったが、踏み付けたグリーンは一発退場となり、第3戦では出場停止に。以後の試合ではサクラメントのファンから猛烈なブーイングを浴びることとなった。

ただ、その失敗で終わらないのがグリーンがグリーンたる所以でもある。第4戦で復帰し、第5戦では21得点を記録。キングスは、自分たちが押していたはずのシリーズの流れを変えるグリーンのパフォーマンスを目の当たりにした。この勝負強さ、プレーオフを勝ち抜くための戦術適応性こそ、キングスに足りないものだ。

キングスの指揮官マイク・ブラウンは長らくウォリアーズでアシスタントコーチを務め、グリーンのプレーも性格も熟知している。グリーンは移籍するとなればキャリア12年目にして初めて新たな環境に身を置くことになるが、ブラウンの下でなら安心してプレーできるはずだ。

グリーンに続く2番手のターゲットはカイル・クーズマと見られている。グリーンのようなディフェンス力とバスケIQはないが、運動能力の高さとアグレッシブなプレースタイルはキングスのペース&スペースのバスケにハマるだろうし、センターのサボニスとの相性も良さそうだ。

契約最終年を破棄してフリーエージェントとなるクーズマは、年俸3000万ドルを希望すると言われている。若くてポテンシャルのある27歳でも少々要求が高いが、キングスなら支払うことができる。キングスは以前からクーズマに注目しており、2年前にはバディ・ヒールドとのトレードがレイカーズとの間で合意直前まで来ていた。ただ、土壇場でレイカーズはラッセル・ウェストブルックへと方向転換し、クーズマはウィザーズに送られた。今回は2年越しでキングス移籍が実現するかもしれない。