「自分を磨いていけば(NCAAの)ディビジョン1の良いところへ行ける」
現地6月24日に開幕するU19ワールドカップ2023に臨む日本代表は、それぞれ個性的で将来性豊かな選手たちが揃っている。そんなメンバーの中で最も国際舞台で実績を残しているのが、福岡大学附属大濠高から今春にNBAグローバルアカデミーに入学した川島悠翔だ。
2022年の川島は6月に延期されていたU16アジア選手権で平均26.6得点、11.2リバウンドの大暴れを見せ、日本代表を同大会で初の決勝進出へと導いた。その直後、7月に行われたU17ワールドカップでは得点ランキング2位となる19.1得点に6.7リバウンドを記録。さらに8月末のU18アジア選手権でもチームの要として平均15.6得点、10.6リバウンドを挙げ、2位に入る原動力となった。
アレハンドロ・マルチネスヘッドコーチは特定の選手に依存するのではなくチーム全員で戦う方針を打ち出している。それでも、上記のようにアンダー世代では代表の中心を担っている川島には、エースとしての活躍が期待される。
福岡大濠に入学したばかりの2年前に1年生ながらU19ワールドカップ2021に出場し、現在は世界中からタレントが集まるNBAアカデミーに在学中と、川島は文字通り世界のレベルを肌で感じている。その上で「代表に入れて、かつての仲間たちと戦えるのはうれしいです。このチームなら絶対に上位を狙えると思います」と自信を見せる。
また、川島個人としてもNBAアカデミーでの切磋琢磨で自信を深めているという。「最初はやられてばかりでしたが、今は攻めて成功したり、相手を止めることもできています。あと1年あるので、もっと自分を磨いていけば(NCAAの)ディビジョン1の良いところへ行けると思います」
NBAグローバルアカデミーでも屈指の身体能力「垂直跳びでは一番でした」
川島は傑出した跳躍力や機動力を備えた200cmのビッグマンとして高校バスケ界で大暴れしていた。この強みは、NBAアカデミーでも大きなアドバンテージになっていると明かす。「アカデミーでも身体能力は高いみたいで、大濠でのトレーニングが生きていると思います。垂直跳びは一番で、スピードもトップ3くらいで、ドライブは世界相手にも効いていると思うので自信を持ってやりたいです」
川島が今大会で最優先しているのは、チームを一つでも多く勝利に導くことだが、それと同時に目標とするディビジョン1の強豪校に自身の実力をアピールする絶好の機会でもある。川島は言う。「世界で活躍するにはターンオーバーをしない、少ないチャンスで決め切ることが重要です。そういうところを意識してやっていきたいです」
精神的な面でも成長している川島は、半年前の苦い経験を糧に強気のプレーを貫いていきたいと強調した。「去年、大濠での最後のウインターカップでは準々決勝で、あまり自分で行かずに負けて終わってしまいました。この悔しさがあって、このままではいけないと思えているので、今は失敗してもガンガン行くメンタルでやりたいです」
まだ数カ月とはいえ、日常から世界レベルを経験することで川島は心身ともに着実にステップアップしている。その成果を今大会でどのように発揮してくれるか、期待しかない。