「信頼を失うことで守備で多くの綻びが出てしまう」
セルティックスは東カンファレンスファイナルでヒートに3連敗の後、3連勝と驚異的な粘りを見せたが、第7戦で84-103と完敗。NBA史上初のシリーズ3連敗からの逆転勝利はならなかった。
セルティックスにとって不運だったのは、エースのジェイソン・テイタムが開始早々に足首を捻り、本来のプレーができなかったこと。また、テイタム以外にもシックスマンとして貴重な働きをしていたマルコム・ブログドンも故障により、シリーズ第3戦以降は低調なパフォーマンスに終わったのも痛かった。第1戦が37分の出場で19得点、第2戦が26分の出場で13得点を挙げたブログドンだが、第3戦以降の4試合ではわずか2得点のみ。第6戦では8分、第7️戦では7分のプレータイムに留まっている。
ペイサーズからトレードで加入し、レギュラーシーズンでは平均14.9得点、4.2リバウンド、3.7アシストを記録。移籍1年目からチームにフィットし、シックスマン賞も受賞して即戦力の期待に応えたブログドンだが、今シーズンのセルティックスには守備に課題があったと振り返っている。「昨年のチームはディフェンスにプライドを持っていて、ディフェンスがチームの代名詞となっていた。でも、今年はオフェンスが代名詞だった。ディフェンスではなく、オフェンスを持ち味とすることでチャンピオンシップに勝てるとは思わない」
今シーズンのセルティックスは、オフェンシブレーティング、ディフェンシブレーティングともにリーグ2位と数字の上では守備も優れている。だが、ブログトンはこう語る。「僕達は自由なオフェンスでお互いを信頼し合っていた。しかし、オフェンスがうまくいかずシュートが入らないとその信頼を失ってしまう。それがゲームというものだ。そして信頼を失うことで守備で多くの綻びが出てしまう」
また、チーム1のディフェンダーであるマーカス・スマートも守備に課題があったと認めている。「昨年の僕達はオフェンスがあまりに酷かったから、今年はオフェンスの改善をメインにしていた。残念なことに、それによってディフェンスが影響を受けてしまった。シュートが決まらない時、そこからディフェンスも崩れてしまうことが多々あった」
ジェイソン・テイタムを中心に来シーズンもセルティックスは優勝を狙えるタレントを有している。ファイナルに返り咲くためには、失ったディフェンスの激しさと規律を取り戻すことが至上命令となる。