キングス

「僕とフォックスのためにチームがスペースを広げてくれた」

キングスは2連勝から3連敗を喫して瀬戸際に追い込まれていた。ウォリアーズはドレイモンド・グリーンの退場劇を乗り越え、チームが結束して攻守のレベルを上げており、ホームでの第6戦でシリーズ突破を決めるものだと思われた。

しかし、その類の楽観的な見方はファンには許されても、プレーする選手には許されない。ウォリアーズには油断があった。前半からキングスが10点前後をリードする展開が続く中、「一度勢いに乗れば、こんな点差はすぐなくなる」とファンは思っただろうが、ウォリアーズの選手たちもそう思っていたのかもしれない。結局、「一度勢いに乗れば」という瞬間は訪れなかった。逆に第4クォーターにケビン・ハーターの連続3ポイントシュート、ディアロン・フォックスにマリーク・モンクの得点で点差を広げられ、残り3分45秒に主力をベンチに下げて白旗を掲げた。

最終スコアは118-99。キングスはウォリアーズの得点を2桁に抑える完璧な試合運びで勝利を収めた。エースのフォックスは指の亀裂骨折を押してのプレーとは思えぬ力強い働きで26得点を挙げた。モンクはベンチから出て28得点を挙げている。

トレイ・ライルズを2番手のセンターに起用してセカンドユニットをスモールラインナップにする戦術変更がこの3試合のウォリアーズの勢いを削いだ。ウォリアーズ好調のキーマンとなっていたケボン・ルーニーをペリメーターまで引っ張り出したことで、リムが攻めやすくなっただけでなくリバウンドの主導権も取れるようになった。ウォリアーズはこれを修正できないまま敗れている。

初戦の32得点に続き28得点と大活躍だったモンクは「僕とフォックスのためにチームがスペースを広げてくれた。おかげで僕らは本当にプレーしやすくなったよ。それにビッグマンがインサイドで踏ん張り続けてくれた。それで僕は攻めることに集中できた」と語る。

プレーオフの経験という点では、キングスとウォリアーズには大きな差がある。それが勝敗に直接影響していたら、キングスはもう敗退が決まっていたはずだ。モンクにとってもNBAキャリア6年目、25歳にして初めてプレーオフを経験しているが、「ウチにはマイク(ブラウン)という経験豊富なコーチ、HB(ハリソン・バーンズ)のようなベテランもいる。プレーオフでの経験が豊富な彼らの助けがあるから、ここでも上手く戦えているよ」と語る。

これで3勝3敗、ホームに戻っての『GAME7』で決着をつけることになる。モンクは「GAME7を経験したことがないから何が起きるか想像もできないけど、ただコートに行って110%のプレーをして、これまでやってきたようにリムを攻め、チームメートのためにプレーすれば大丈夫だと思っている」と語る。

「プレッシャーはない。ただコートに出てすべてを出し切るだけ。幸いにもこの試合を終えて、サクラメントに戻って戦うことができる。大丈夫、自信はあるよ」

昨シーズンの王者ウォリアーズに一歩も引かずに渡り合い、GMAE7へと持ち込んだキングス。どの選手もモンクが言ったように、自信を持って最終戦に臨む。